Ⅰ. 基礎
4.SGLT2阻害薬の臓器保護におけるケトン体の役割
掲載誌
The Lipid
Vol.33 No.2 33-39,
2022
著者名
小川 佳宏
/
宮地 康高
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
栄養管理
診療科目
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
Key Words
SGLT2阻害薬,ケトン体,臓器保護作用,Healthy expansion,抗炎症作用
大規模臨床試験の結果から,SGLT2阻害薬には糖尿病の有無にかかわらず心臓と腎臓への保護作用があることが明らかとなった。SGLT2阻害薬による臓器保護作用については不明な点が多いが,ケトン体の変化が注目されるようになってきた。SGLT2阻害薬によるケトン体の上昇は,障害を受けた臓器のATP産生や抗炎症作用をもたらすことにより,病態の改善に寄与している可能性がある。一方で,ケトン体の上昇がSGLT2阻害薬の効果を軽減するという報告もあり,ケトン体を介した臓器保護作用についてはさらなる検討が必要である。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。