Ⅰ. 基礎
2.ケトン体の臓器保護と治療応用への可能性
掲載誌
The Lipid
Vol.33 No.2 19-25,
2022
著者名
久米 真司
/
堀口 淳矢
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
栄養管理
診療科目
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
Key Words
ケトン体,β-OHB,慢性腎臓病,急性腎障害,糖尿病性腎臓病
飢餓の環境を生き抜いてきた生物にとって,ケトン体は飢餓時のエネルギー源として重要な役割を果たしてきた。飽食の時代が到来し,栄養過多による健康障害が問題となるなか,食事制限の有用性が明らかとなり,またSGLT2阻害薬が糖尿病治療効果のみならず,臓器保護を示したことから,そのメカニズム解明の手がかりとしてケトン体が注目されている。本稿では,糖尿病性腎臓病におけるケトン体の腎保護効果をはじめ,既報のケトン体と腎障害に関する報告について概説する。また,ケトン体による多臓器保護効果と治療応用性への可能性について,最新の知見も交え論述する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。