特集 オルガネラと脂質-基礎と臨床から-
Ⅱ.臨床
4.フェロトーシス発生におけるオルガネラの役割と肝疾患
掲載誌
The Lipid
Vol.32 No.2 85-92,
2021
著者名
山田 直也
/
唐澤 直義
/
高橋 将文
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
栄養管理
診療科目
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
Key Words
細胞死,フェロトーシス,鉄,脂質酸化,ミトコンドリア,肝臓
フェロトーシスは2012年に報告された“細胞膜リン脂質における鉄依存的な脂質過酸化物の蓄積によってもたらされる新規の細胞死”である.肝臓は鉄代謝や脂質代謝,グルタチオン産生といったフェロトーシス関連分子の代謝の中心的な場であり,さまざまな肝疾患の病態にフェロトーシスが関与することが推察されている.これまで,ヘモクロマトーシスや肝虚血再灌流障害,アセトアミノフェン肝障害,非アルコール性脂肪性肝炎,アルコール性肝炎などの病態におけるフェロトーシスの関与が動物モデルを用いた実験で報告されてきた.本稿では,フェロトーシスの発生におけるオルガネラの役割と,関連する肝疾患について概説する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。