特集 オルガネラと脂質-基礎と臨床から-
Ⅱ.臨床
1.ミトコンドリア病と脂質代謝
掲載誌
The Lipid
Vol.32 No.2 45-53,
2021
著者名
大竹 明
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
栄養管理
診療科目
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
Key Words
脂質の同化と異化,短鎖エノイル-CoAヒドラターゼ(ECHS1)異常症,ATAD3異常症,Barth症候群,エラミプレチド
本稿ではまず脂質代謝の概要をミトコンドリアに照準をあわせて,異化(β酸化)を中心に説明した。ミトコンドリアと脂質代謝にかかわる病気として,まず新しく発見された脂肪酸β酸化異常症(ECHS1異常症とACAD9異常症)を,特にミトコンドリア呼吸鎖複合体との関係も含めて論じた。次に遺伝子の欠失と重複がまったく異なった病状を引き起こし,コレステロール代謝にもかかわるATAD3異常症について説明し,最後にカルジオリピン代謝にかかわるTAZ遺伝子異常症であるBarth症候群について詳述した。ECHS1異常症のバリン制限食餌療法やBarth症候群のエラミプレチドなど新規治療法についても取り上げて説明した。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。