特集 オルガネラと脂質-基礎と臨床から-
Ⅰ.基礎
4.リソソームとイノシトールリン脂質
掲載誌
The Lipid
Vol.32 No.2 38-44,
2021
著者名
長谷川 純矢
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
栄養管理
診療科目
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
Key Words
リソソーム,イノシトールリン脂質,ホスファチジルイノシトール3
/
5-二リン酸,mTORC1,TFEB,Lyso IP
リソソーム/ライソゾームは細胞内小器官(オルガネラ)の1つで,エンドソームやオートファゴソームなどにより取り囲まれた物質が最終的に到達する場所である.そこで加水分解酵素により蛋白質などの生体高分子がアミノ酸レベルにまで分解され,新たな蛋白質の合成の材料として再利用される.このようにリソソームは細胞の“新陳代謝”に極めて重要な役割を担っている.リソソームの機能異常は,中枢神経障害を含むさまざまな疾患の原因となる.細胞にとって肝要なオルガネラであるリソソームであるが,その分子基盤に関していまだ不明な点が多い.著者のグループは脂質の観点からリソソームの基礎的研究を推進している.本稿では現時点で理解されているリソソームの分子基盤について概説する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。