不飽和脂肪酸のなかでプロスタグランジンは妊娠を調節する生理活性物質としてこれまでさまざまな研究がなされ，分娩誘発・促進などの薬剤として臨床応用されている．近年ノックアウトマウスを用いた解析で，排卵・受精・着床・分娩におけるプロスタグランジンの作用の詳細が明らかとなっている．本項では，妊娠の場である子宮に着目し，子宮特異的なCox2やp53のノックアウトマウスを用いた筆者らの解析から明らかになったプロスタグランジンの役割について概説する．
「KEY WORDS」子宮，プロスタグランジン，着床，分娩，不妊，早産