【特集 動脈硬化と血管石灰化】
特集にあたって
掲載誌
The Lipid
Vol.26 No.3 10-11,
2015
著者名
秋下 雅弘
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
脳血管障害
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
神経内科
/
老年科
媒体
The Lipid
薬物療法や冠動脈インターベンションが進歩し,粥状動脈硬化に対する治療法がある程度確立される中で,患者層の高齢化に伴い,血管石灰化が大きな問題となっている.冠動脈CTをはじめとする画像診断の進歩により,血管石灰化の臨床評価は比較的容易になり,臨床研究とともに発生機序を解明する基礎研究も進歩してきた.血管石灰化の病変は,その部位と病的意義から粥状硬化巣の新生内膜に起こる石灰化(アテローム硬化性石灰化病変)と中膜平滑筋層にみられる石灰化(メンケベルグ型石灰化)に分けて考える必要がある(図).前者は動脈硬化病変の進行度を示すだけでなくプラーク破綻に関与する因子として注目されている.後者もやはり全身的な動脈硬化かつ血管老化の指標になるが,特にarterial stiffnessの上昇を介して高齢者に特徴的な収縮期高血圧や脈圧の増大という血行動態の変化および心血管疾患のリスクにもつながる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。