【特集 リパーゼの臨床的意義】
Ⅱ.脂質代謝,動脈硬化における機能と臨床的意義 肝性リパーゼ
掲載誌
The Lipid
Vol.24 No.4 33-40,
2013
著者名
小林淳二
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
小児疾患
診療科目
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
小児科
媒体
The Lipid
[Summary]肝性リパーゼ(HL)は, 主に肝細胞で, またマクロファージによって合成分泌される糖蛋白であり, リポ蛋白リパーゼと同じ遺伝子ファミリーである. ヒトではカイロミクロンレムナント, IDL, LDL, HDL2中のトリグリセライド(TG)やリン脂質の水解に関与する. HLが動脈硬化促進性か否か, HLが欠損あるいは過剰発現した動物モデルの数々の研究結果からは一致した見解が得られていない. ヒトHL欠損症は, 報告例がきわめて少ないが特徴として総コレステロールの増加と, もっと顕著にTGの増加がみられる. スタチンやフィブラート投与により脂質の著明な改善がみられる. 「はじめに」肝性リパーゼ(HL)はサイズ65kDaで, 主に肝細胞で, またマクロファージによって合成分泌される糖蛋白である1). 肝では, ヘパラン硫酸を介してDisse腔側の肝細胞や類洞内皮細胞表面に結合している1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。