症例検討 脂質代謝異常症への多角的アプローチ
イコサペント酸エチル(EPA)は糖尿病性腎症合併Ⅲ型高脂血症患者の中性脂肪,レムナントコレステロールを低下させる
掲載誌
The Lipid
Vol.24 No.2 85-88,
2013
著者名
斉藤美恵子
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大谷めぐみ
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服部由香
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衛藤雅昭
記事体裁
症例
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抄録
疾患領域
循環器
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高血圧
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代謝・内分泌
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糖尿病
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腎臓
診療科目
一般内科
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循環器内科
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腎臓内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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泌尿器科
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老年科
媒体
The Lipid
「はじめに」家族性III型高脂血症はapoE2/2遺伝型をもとに1), レムナントリポ蛋白が増加する典型的な原発性高脂血症である2). レムナントは, トリグリセライド(TG)-rich, コレステロール-rich, apoE-richなリポ蛋白であり, 変性を受けなくても容易にマクロファージに取り込まれ動脈硬化巣の形成に寄与する3). 臨床像では, 高中性脂肪血症, 高レムナント血症を呈し, 総コレステロールは高値であるがLDLコレステロール(LDL-C)は低値である. また, 早期の冠動脈疾患と糖尿病患者においては早期から腎症の進展, 増悪を示す4). 日本人におけるapoE遺伝型頻度は, apoE3/3は71.9%, apoE4(E4/3, E4/2, E4/4)は21.7%, apoE2(E2/2, E3/2)は6.4%である5). ApoE2/2の頻度は10,000人中14人でありこのうち10%がIII型高脂血症を発症すると仮定するとその頻度は10,000人に1ないし2人である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。