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血管の画像解析
第7回 Ⅱ.末梢動脈へのアプローチ CTによる,末梢血管病変の描出
掲載誌
The Lipid
Vol.21 No.3 92-97,
2010
著者名
東将浩
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
脳血管障害
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
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脳神経外科
/
神経内科
/
放射線科
媒体
The Lipid
「はじめに」マルチスライスCT(MSCT)の登場により, 薄いスライス厚かつ高速に撮影できるようになり, ボリュームデータとして取得が可能となった. 装置の進歩により, Z軸方向の分解能が, 画像平面内(XY方向)の分解能と等しい等方性ボクセルとなり, さらに良好なCT Angiography(CTA)を得ることができるようになってきている. CTAでは, 造影剤の使用が必須で, 目的の検査部位において, 造影剤の到達にあわせた撮影を行う必要がある. その方法として, 少量の造影剤を用いてダイナミック撮影を行い, 撮影開始時間を決定するテスト注入法と, ある断面でのモニターを行い, 造影剤の到達にあわせて撮影するボーラストラッキング法が用いられる. この二つの方法には, それぞれ長所と短所があるので, 使用装置や撮影部位の違いにより, 使い分けられている. CTの高速化により, 撮影時間の大幅な短縮が可能となっている. しかし, 大動脈や下肢などの広範囲の撮影, あるいは大きな内腔を有する瘤が連続する場合, または閉塞病変(特に側副血管の発達していない急性閉塞)においては, 造影剤の流れを撮影が追い越すことも経験される(図1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。