特異的Na+/glucose co-transporter(SGLT)2阻害薬は,世界においてわが国が薬剤開発の先導を担った薬剤である。その薬理作用は,腎近位尿細管S1セグメント上皮細胞におけるグルコース再吸収を約90%阻害し,尿中にブドウ糖が排泄されることによって高血糖を是正することである。その結果,膵β細胞や末梢インスリン感受性細胞に対する糖毒性が解除され,インスリン分泌能およびインスリン抵抗性がともに改善されるという好ましい結果が示された。特に,SGLT2阻害薬を使用した状態での生体代謝は,尿中へのエネルギーロスにより,血糖低下,インスリン分泌が低下し,グルカゴン分泌が上昇する結果,生体内ではエネルギー過剰負荷状態の代謝から,エネルギー分解系の代謝に変換される。
【特集 SGLT2阻害薬の光と影】
特集にあたって
掲載誌
Diabetes Frontier
Vol.27 No.6 695,
2016
著者名
柏木厚典
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
糖尿病
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
Diabetes Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。