全文記事
総説
空腹時血糖値の正常とは何か
掲載誌
Diabetes Frontier
Vol.20 No.1 25-31,
2009
著者名
伊藤千賀子
記事体裁
その他
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
糖尿病
/
眼疾患
診療科目
一般内科
/
循環器内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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眼科
/
老年科
/
小児科
媒体
Diabetes Frontier
「はじめに」空腹時血糖値(fasting plasma glucose:FPG)の正常値に関して世界の動きをみると, 1980年にWorld Health Organization(WHO)1)から75g法がはじめて提唱され, この時も正常血糖値の基準はなく糖尿病とimpaired glucose tolerance(IGT)を規定し, FPG<100mg/dLの場合は糖尿病を除外できると記載してある. その後この基準の見直しが各地で行われ, 1997年にはThe Expert Committee of American Diabetes Association(ADA)2)から, 1998年にはWHO3)から糖尿病の診断基準が提案された. 日本糖尿病学会では日本人のデータをもとに1999年に基準値を公表した4). ADAでは一般診療ではブドウ糖負荷試験(OGTT)はほとんど行われていないなどの理由から, 糖尿病の診断をFPGのみで行うためにFPG基準値を今までの140mg/dLから126mg/dLに引き下げた. その後FPGの正常上限を110mg/dL未満から100mg/dL未満に引き下げている5).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。