海外論文紹介
造血細胞移植の長期成人サバイバーへのケア
Syrjala KL, Martin PJ, Lee SJ: Delivering care to long-term adult survivors of hematopoietic cell transplantation. J Clin Oncol 30: 3746-3751, 2012
掲載誌
がん患者と対症療法
Vol.24 No.2 76-78,
2014
著者名
田口奈津子
/
榎原雅代
/
藤澤陽子
/
八代英子
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
血液
/
癌
/
再生医療
診療科目
産婦人科
/
泌尿器科
/
血液内科
/
放射線科
媒体
がん患者と対症療法
「はじめに」造血幹細胞移植(hematopoietic cell transplantation;HCT)は, 他の成人がんの治療のなかでも骨髄破壊的な量の化学療法を1週間行ったり放射線の全身照射を行うこともあり, 長期かつ遅発性の影響があるといわれている. 本論文では, HCTサバイバーへのケアを提案する過程として, HCTにおける長期もしくは遅発性の合併症を示したい. 米国では年間1万人以上が自家HCTを受け, 6千人以上が同種HCTを受けている. これらのサバイバーは, 標準人口に比較して高い死亡率を示す. その危険性は移植後生涯続き, 5年後でさえ4~9倍の死亡率を示す. 長期生存の成人サバイバーの3分の2は少なくとも1つは慢性的な健康問題を抱えており, 約20%は深刻な生命を脅かす健康状態に陥っている. 「HCTの合併症」自家, もしくは同種HCTを受けたサバイバーは一般人口や他のがんのサバイバーと比べて感染, 二次がん, 骨障害, 心血管, 肺, 腎, 内分泌系の障害などが問題となりやすい.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。