【特集 がん治療期における緩和ケアの取り組み】
四肢切断術後患者に対する心理療法からのサポート
Psychotherapeutic support of patients after limb amputation
掲載誌
がん患者と対症療法
Vol.24 No.2 56-61,
2014
著者名
栗原幸江
記事体裁
抄録
疾患領域
骨・関節
/
癌
診療科目
整形外科
/
リハビリテーション科
/
麻酔科
/
手術・救急
/
放射線科
/
精神科
媒体
がん患者と対症療法
「Summary」患者にとって四肢切断は, 社会的役割や人間関係など, 人生の大切な側面に影響が及ぶ(かもしれない)一大事である. 「自分なりに悩んだ末に切断の選択肢を決めた」というプロセスを大切にし, 喪失をしっかり悲しみ, さまざまな感情や痛みを認めることが, 「手(足)を失った自分の新たな生活」との折り合いを見い出すうえで大切である. また, 実際の喪失以前に「その喪失を予期して生じる」予期悲嘆1)という反応として生じるさまざまな感情や痛みに対するケアも大切にしたい. 身体, こころ, いのちといった多次元的なものを相手にしていくためにも多職種チームによる連携は重要であり, 「聴くことの力」がもたらす「患者・家族の成長と変容の力」をチームでサポートしていきたい. 「はじめに」医療の進歩はがんの診断技術および治療方法の発展にも及び, その治療を考えるときには延命のみならず患者のQOLのことにも意識が向けられてきている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。