『食物アレルギー診療ガイドライン2016』では,経口免疫療法(OIT)の食物アレルギー診療における位置づけを明確に示している。OITは「自然経過では早期に耐性獲得が期待できない症例」に対し選択される治療で,「事前の食物経口負荷試験で症状誘発閾値を確認する」ことを原則とした。そのうえでこれまでの研究成果やわが国の現状に鑑みて,食物アレルギーの一般診療として推奨していない。医師は症状出現時の緊急対応に万全を期したうえで,OITのリスク,治療上の注意事項や治療成績について患者および家族に十分に説明したうえでインフォームドコンセントを得る必要があり,臨床研究であっても安易なOITは実施すべきでない。
特集 食物アレルギー診療ガイドライン2016
経口免疫療法の位置づけ
掲載誌
喘息・アレルギー
Vol.30 No.2 58-63,
2017
著者名
佐藤 さくら
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
小児疾患
診療科目
小児科
/
アレルギー科
媒体
喘息・アレルギー
Key Words
経口免疫療法,食物アレルギー,耐性獲得,脱感作状態,副反応
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。