喘息,慢性閉塞性肺疾患(COPD),喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)において画像・機能評価で主として用いられているのはCTとスパイロメトリーである。CTを用いた画像的評価では,COPDでは気腫を反映した肺野における低吸収領域割合(LAA%)の増加が,喘息では気道炎症・リモデリングを反映した気管支壁の肥厚がそれぞれ特徴的である。ACOSでの報告は一定しない部分もあるが,喘息よりはLAAが多く,COPDよりは気道壁が厚いとする報告が多い。スパイロメトリーの対予測値1秒量(%FEV1)では,ACOSは喘息よりは低い点ではほぼ一致しているが,COPDとの比較では報告により異なる。経年的な1秒量の低下は,喘息,COPDよりもACOSで大きいことが示唆されている。疾患の定義・診断が明確でない現時点では指標により相反する報告も多く,解釈には注意が必要である。
「key words」喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS),呼吸機能,スパイロメトリー,computed tomography(CT)