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抗アレルギー薬の歴史
第5回 メディエーター遊離抑制薬開発の歴史
掲載誌
喘息
Vol.23 No.1 91-94,
2010
著者名
黒沢元博
/
湯川龍雄
/
相良 博典
記事体裁
連載
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全文記事
疾患領域
呼吸器
/
アレルギー・免疫
/
耳鼻科疾患
/
眼疾患
診療科目
一般内科
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呼吸器内科
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アレルギー科
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眼科
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耳鼻咽喉科
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老年科
/
小児科
媒体
喘息
「はじめに」化学伝達物質(ケミカルメディエーター)に作用する薬剤は, 化学伝達物質に拮抗する薬剤とその産生・遊離を阻害・抑制する薬剤に大別される. 後者には, ヒスタミンなどのpreformed mediatorの遊離抑制薬(メディエーター遊離抑制薬)と, ロイコトリエンなどのnewly generated mediatorの遊離抑制薬および産生阻害薬が挙げられる. ロイコトリエン受容体拮抗薬については, 本連載第4回で相良ら1)が詳細に解説している. また, トロンボキサン阻害薬については, 次号で湯川が紹介する予定である. 本稿では, 肥満細胞からの化学伝達物質遊離抑制を主目的に開発された薬剤, すなわち, メディエーター遊離抑制薬開発の歴史を概説する. 「アレルギー性疾患治療におけるメディエーター遊離抑制薬の理論的根拠」Coombs and Gellの分類によるI型アレルギー反応に基づいて発症する気管支喘息治療におけるメディエーター遊離抑制薬の意義を理解するうえで, 江田2)により提唱された抗アレルギー薬の作用点に関する考え方(図1)は, 大変有用である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。