骨や筋肉にはアンドロゲンの有益なアナボリックな作用を保持したまま,好ましくない作用である前立腺刺激作用は発揮させないような薬剤,いわゆるSARMの研究開発が進みつつある.現在,骨粗鬆症や加齢性筋肉減少症(サルコペニア)を主な治療標的とするSARMの研究開発が主流となっているが,市場に出ているものは皆無である.健常高齢者を対象にしたSARM投与の臨床研究では筋肉量(LBD)と身体能力の向上が報告されており,今後の臨床応用が期待される.