男性骨粗鬆症の一次予防のためには危険因子の同定が必要である.一般に,男性には閉経のような急激な性腺機能低下が起こらないため,前立腺癌に対するアンドロゲン遮断療法,糖尿病,胃切除などによる二次性骨粗鬆症の割合が大きくなる.行動学的危険因子では女性の骨粗鬆症と大差はないが,喫煙,飲酒は常習者,大量使用者が男性に多い分,男性で重要な因子となっている.ただし,男性骨粗鬆症の研究は女性に比べて少なく,さらなる研究が必要である.