前回,特殊化した肩甲骨に踏み込んでみた.穴居性・掘削性ロコモーションにおいて,肩甲骨がどのような形状に進化するのかという論議であった1).だが,掘削行動は,多かれ少なかれ前肢による土砂の破砕と除去というプロセスをとらなければ,実現されない.つまり掘削においては,前肢が必ずや一定の主要装置とならざるを得ないのである.そこで,同じ特殊な運動であっても,今回は遊泳を取り上げてみたい.遊泳は,掘削と比較して,前肢への依存度が適応様式や系統によって大きく異なることが推察される.遊泳適応系統群の肩甲骨の形状はどのようなものなのか,検討を加えることにしよう.
ホネのかたち
骨を見る立ち位置⑤-遊泳装置としての肩-
掲載誌
THE BONE
Vol.31 No.3 95-98,
2017
著者名
遠藤 秀紀
記事体裁
抄録
疾患領域
骨・関節
/
その他
診療科目
その他
媒体
THE BONE
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。