特集 免疫疾患治療を変える新たな治療標的
血管炎
掲載誌
Pharma Medica
Vol.42 No.1 19-23,
2025
著者名
駒形 嘉紀
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
膠原病・リウマチ性疾患疫
診療科目
リウマチ科
/
膠原病科
媒体
Pharma Medica
Key Words
ANCA関連血管炎(AAV),補体代替経路,アバコパン,大型血管炎,JAK阻害薬
血管炎は罹患血管の太さにより分類されるが、中小型血管炎としてはANCA 関連血管炎(AAV)が中心となる。大型血管炎は高安動脈炎(TAK)と巨細胞性動脈炎(GCA)からなる。AAVでは従来よりグルココルチコイド(GC)と免疫抑制剤およびリツキシマブ(RTX)が治療の中心であったが、病態に補体代替経路の活性化が関与することが明らかになり、その治療薬として補体C5aR阻害薬であるアバコパンが登場して治療が大きく変わる可能性がある。TAK/GCAでは病態形成に重要炎症性サイトカインであるIL-6、IFN-γ、Ⅰ型IFNのシグナル伝達を担うJAK-STAT系を阻害するJAK阻害薬が有効であるデータが数多く報告され、今後使用できるようになることが期待されている。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。