免疫は感染症から腫瘍、移植医療などさまざまな分野において重要な役割を担っている。特にアレルギー疾患では外来成分に対する不適切な免疫応答が、全身性および臓器特異的自己免疫疾患では自己成分に対する不適切な免疫応答が生じており、治療では偏位した応答の是正が鍵となっている。その是正が行き過ぎると、もしくはその反面として、感染症や腫瘍の発生など他の免疫疾患が治療に伴い生じてしまうことになり、いかに安全性を保ちながら原疾患の制御を行うかが現在に至るまで変わらぬ臨床課題となっている。この課題に対する対応は科学技術の進歩とともに着実に進歩を遂げ、免疫疾患診療のパラダイムシフトへと繋がっている。