Medical Scope
腸内細菌叢とアレルギー疾患
掲載誌
Pharma Medica
Vol.39 No.3 75-79,
2021
著者名
永原 章仁
/
野村 慧
/
石川 大
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
消化器
/
アレルギー・免疫
診療科目
アレルギー科
/
消化器内科
媒体
Pharma Medica
近年,腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)とさまざまな疾患との関連が明らかになってきており,最近の研究で,アレルギー疾患患者の腸内細菌叢の多様度の低下や,特定の細菌の増加や低下するdysbiosisが存在することが明らかになり,腸内細菌叢の成立過程で制御性T細胞の機能に影響を及ぼすことなど,腸内環境がアレルギー発症に関わる免疫メカニズムも解明されてきている。また,便移植療法(FMT)がdysbiosisに関わる疾患に対する根本的治療方法として,幅広く研究が行われている。今後,アレルギー疾患と腸内細菌叢の関連がさらに解明されることで,FMTなどの腸内細菌療法が,アレルギー発症の予防や増悪期の根本的治療法の選択肢として期待される。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。