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特集 神経難病の今~疫学・成因・治療の研究最前線~
神経核内封入体病

掲載誌
Pharma Medica Vol.39 No.3 55-61, 2021
著者名
曽根 淳
記事体裁
抄録 / 特集
疾患領域
神経疾患
診療科目
神経内科
媒体
Pharma Medica
Key Words
NOTCH2NLC,核内封入体,白質脳症,皮膚生検,DWI

神経核内封入体病(neuronal intranuclear inclusion disease:NIID,neuronal intranuclear hyaline inclusion disease:NIHID,もしくはintranuclear inclusion body disease:INIBD)は,1968年に1例目の症例がLindenbergらによって文献上報告されてから¹⁾,長らく共通する病理組織学的な特徴に基づいて提唱されてきた神経変性疾患である。HE染色標本においてエオジン好性に染色される核内封入体が,中枢神経系および末梢神経系の神経細胞,グリア細胞,シュワン細胞,さらに一般臓器の細胞の核内に広く認められる神経変性疾患とされてきた¹⁾²⁾(図1)。これらの核内封入体はユビキチンもしくはp62により陽性に染色され,電子顕微鏡下では,限界膜をもたずフィラメント状の物質が渦巻き状に集合する像を呈する³⁾⁻⁵⁾。核内封入体は神経系に広く認められるが,必ずしも顕著な神経細胞脱落を伴うとは限らず,その部位および程度は症例ごとに異なっており,結果として中心となる臨床症候が症例ごとに異なるとされてきた⁴⁾⁻⁶⁾。さらに,NIIDの発症年齢は乳児期から60歳代までと幅広いため,必然的に臨床診断は困難とされてきた。Lindenbergらの報告では乳児期に発症した症例であったが,翌年の1969年にMartinらによって報告された症例⁷⁾は,亜急性に進行した多巣性白質脳症を呈した71歳発症の男性であった。2003年には,Takahashi-Fujigasakiが,30例ほどのNIID症例をレビューし,発症年齢および遺伝性から,小児発症群,若年発症群,成人発症群および家族性発症群に分類し,臨床症状の特徴を記述している⁶⁾。しかし,NIIDのなかには異なる複数の疾患単位が含まれている可能性について論じられることもあり⁶⁾,多くの症例が剖検でNIIDと診断されるため,症例報告数は少ない状態が長く続いていた⁸⁾。 2011年,われわれは家族性NIID家系例の検討から,皮膚生検がNIIDの生前診断に有効であることを報告した⁹⁾。その後,頭部MRI画像上で白質脳症を呈し,拡散強調画像(diffusion weighted image:DWI)にて,大脳の皮髄境界が高信号を呈するといった特徴的な所見(図1E~H)を呈する高齢発症例が,次々と皮膚生検によりNIIDと診断され報告されるようになり,NIIDの症例報告数が飛躍的に増加した¹⁰⁾⁻¹⁶⁾(図2)。2011年以前にはNIIDと診断されていなかった症例が多数存在していたと推察される。われわれはこれらのNIID症例を蓄積して,成人発症NIIDの臨床像を検討し,その結果を2016年に報告した¹⁷⁾。さらに,皮膚生検により診断した多くの家系例を用いてゲノム解析を行った結果,NIIDの原因遺伝子がNOTCH2NLC遺伝子のGGCリピートの延長であることを同定し,2019年に報告した¹⁸⁾¹⁹⁾(図3)。 本稿では,NIID診断のための皮膚生検の概要,NIIDの臨床病理像について述べるとともに,ゲノム解析についても概説する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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