【特集 肝炎薬物治療update】
B型肝炎 B型肝炎のインターフェロン治療:sequential therapyを含めて
Interferon therapy for chronic hepatitis B.
掲載誌
Pharma Medica
Vol.31 No.12 49-52,
2013
著者名
坂本穣
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
消化器内科
媒体
Pharma Medica
[はじめに] B型肝炎は, B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus; HBV)の持続感染がありながら肝機能異常を示さない「無症候性キャリア」から, 慢性肝炎から肝硬変へと進展する症例, 治癒したと思われる症例の「再活性化」などきわめて多彩な病態を示す. このため治療にあたっては, 自然経過と病態を理解して治療方針を決定する必要がある. そして, 究極の治療の目標は, 肝炎の活動とそれに伴う肝線維化進展抑止と肝不全と肝発癌抑止に尽きる. このために, 疾患の原因であるHBVに対する抗ウイルス治療が必要になる. しかし, HBVはいったん感染すると, 肝細胞の核内に, きわめて安定な環状の不完全二重鎖DNA (covalently closed circular DNA; cccDNA)を形成し, 年余にわたり残存しウイルス複製の起点となるため, 完全に排除することはきわめて困難である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。