【特集 総合診療医に求められる資質,技能】
高次病院における総合診療医 総合病院の総合診療医
掲載誌
Pharma Medica
Vol.31 No.8 17-20,
2013
著者名
井村洋
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
呼吸器
/
消化器
/
腎臓
/
感染症
診療科目
一般内科
/
老年科
/
手術・救急
/
小児科
媒体
Pharma Medica
「I. 資質について」過去15年において, 900床クラスの急性期総合病院における総合診療科の発展と運営に関わってきた. その経験から, 全科を揃える総合病院の総合診療医に必須の資質は, 意外と泥臭いものではないかと思う. 強いていうならば, 「信じる力」である. 特に, 総合診療科を立ち上げて数年間の, 存在意義が明確になるまでの期間は, 技術的なこと以上に重要な資質である. その理由は, 診療所や中小病院に比べて, 大型総合病院では, 「総合診療医を目指す志」に対して, さまざまな雑音が乱入してくる頻度が高いからである. そもそも, 大学医学部には, おぼろげながらも総合医的な医師像を描いて入学した医学生がいるはずなのに, 医学部の6年間で「総合医の技能だけでは生きていけない」というマントラを聞かされ続け, 初期研修ローテーションにても, その反復強化に囲まれた日々を過ごしているのである.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。