【特集 多発性硬化症(MS)と視神経脊髄炎(NMO)の最新情報】
MSとNMOの疫学の最新情報
掲載誌
Pharma Medica
Vol.31 No.6 13-16,
2013
著者名
大石真莉子
/
古賀道明
/
神田隆
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
神経疾患
/
眼疾患
診療科目
一般内科
/
神経内科
/
眼科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」多発性硬化症(multiple sclerosis; MS)は中枢神経組織に炎症性脱髄性病変を多発性かつ多巣性に生じる再発寛解性疾患であり, 環境因子と遺伝因子の両者が発症に関与する多因子疾患と考えられている. MS全体の有病率には地域差や人種差があり, 日本人を含むアジア人種は欧米白人に比して有病率は低いとされる. わが国ではこれまで1972年, 1982年, 1989年, 2004年と計4回の全国臨床疫学的調査が実施されており, 2004年の調査では過去30年間でMS患者が4倍に増加したことが明らかとなった1). また, 近年では抗アクアポリン4(aquaporin-4; AQP4)抗体の発見に伴って視神経脊髄炎(neuromyelitis optica; NMO)の疾患概念が確立し, これまで視神経脊髄型多発性硬化症(optic-spinal multiple sclerosis; OSMS)と考えられていた症例の多くがこのなかに含まれることが明らかになった.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。