【特集 双極性障害:現代社会における特徴と診療】
双極性障害治療薬の薬物動態と薬の相互作用
掲載誌
Pharma Medica
Vol.31 No.3 33-40,
2013
著者名
鈴木映二
記事体裁
抄録
疾患領域
精神疾患
診療科目
精神科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」双極性障害の治療薬として, 気分安定薬に分類されているリチウム, カルバマゼピン, バルプロ酸に加え, クロルプロマジン, ハロペリドール, スルトプリド, レボメプロマジンといった定型抗精神病薬が以前から保険適応となっていた. 最近になって, ラモトリギンや非定型抗精神病薬のオランザピンとアリピプラゾールが認可された. それによって, 双極性障害治療薬の薬物動態学的プロフィールはさらに多様となった. 新規の薬は, 脂溶性で, 塩基性で, 分布容積も大きいので, 特に代謝の過程で相互作用が起きやすい. 実際の臨床でも, 従来以上に薬の飲み合わせに注意する必要が出てきた. 以下, まず各薬の薬物動態的パラメーターについて解説し, その後, 吸収, 分布, 代謝, 排泄の各過程における各薬の特徴と薬の相互作用について, 特に使用頻度の高いものを中心に解説する. 「I. 双極性障害治療薬の薬物動態学的パラメーター」各薬の油水分配係数を表1に示した.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。