はじめに
2006年10月に宇和島徳洲会病院で,国内最初の臓器売買による生体腎移植が行われたことが報道された。この事件の捜査中に病腎移植が市立宇和島病院,呉共済病院,宇和島徳洲会病院で行われていたことが発覚した。最近は臨床治験として宇和島徳洲会病院で小径腎癌の患者をドナーとした病腎移植が行われているが,そのさなかにあって暴力団組員および組長が介在した臓器売買事件が報道され,その生体腎移植が同病院で行われたことが判明した。厚生労働省調査班の報告1),日本移植学会,日本透析医学会,日本泌尿器科学会,日本臨床腎移植学会の4学会共同声明2)とそのあとで承認された日本腎臓学会の見解3)およびネフローゼ症候群を呈するドナーからの生体腎移植に関する意見書4)では「現時点では病腎移植に医学的妥当性はない」とされ,その見解は現在に至るまで変わっていない。
全文記事
臓器移植をめぐる最近の話題;臓器移植法改正後の展開
病腎移植をめぐる問題;反対の立場
掲載誌
Pharma Medica
Vol.29 No.11 29-32,
2011
著者名
相川厚
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
腎臓
/
その他
診療科目
一般外科
/
腎臓内科
/
その他
媒体
Pharma Medica
Key Words
病腎移植
/
腎細胞癌
/
部分切除術
/
腎採取術
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。