全文記事
生殖医療最前線
生殖医療と倫理
掲載誌
Pharma Medica
Vol.27 No.5 45-50,
2009
著者名
久具 宏司
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
再生医療
診療科目
産婦人科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」体外受精が可能になったことは, 同時に第三者の卵子, 子宮を使っての妊娠や, 胚を用いた研究, 診断を行うことが可能になったことを意味する. これら生殖医療に関する急速な進歩は, 大きな福音をもたらすとともに, 従来の倫理規範や法秩序に予定されていなかったさまざまな不都合や問題を生じる結果となっている. 技術的に可能なことをどこまで医療として実践しうるのか, どのような社会の受け皿を準備する必要があるのか, あらゆる視点から多面的に議論することが必要である. この問題は, 倫理という1つのキーワードで読み解くことはできず, 秩序, ガバナンスなど, 多くの観点からの熟慮を要する. 本稿では, 生殖医療のうち主として第三者の関わる技術について, 医学的・技術的な視点以外の問題点を提起する. 「I. 問題点の所在」第三者の関与する生殖補助医療の問題点の所在はそれぞれの技術により一様ではない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。