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投稿日時:2017/12/22(金)

M-Review Hightlight
新刊アイ

No.54 2017.12.22 発行:株式会社メディカルレビュー社

写真でみるPDT症例/臨床推論に必要なスキルとは?/現場で役立つナース手帳

「新刊アイ」では、“先生のコメントから読み解く新規刊行物の魅力”をお伝えいたします。
今号では、光線力学的治療法(PDT)による3つの症例とトレーニング講習会の内容を盛り込んだ『PDT実践ガイド―光線力学的療法の最新エビデンス―』、医師と看護師が共同執筆し、厚生労働省「特定行為に係る看護師の研修制度」の基準に準拠したテキスト『看護師特定行為研修 共通科目テキストブック 臨床推論』、看護師や看護学生のみなさんに使っていただきたいポケットサイズの手帳『ナースお守り手帳2018』のご紹介です。

目次
新刊案内『PDT実践ガイド―光線力学的療法の最新エビデンス―』
肺がんのゲノムワイド関連解析(GWAS)
新刊案内『看護師特定行為研修 共通科目テキストブック 臨床推論』
質問をデザインする
新刊案内『ナースお守り手帳2018』
三重県における医療連携の取り組みと課題

新刊案内

『PDT実践ガイド―光線力学的療法の最新エビデンス―』

発行日 : 2017年10月10日
監 修 : 加藤治文(かとう はるぶみ)
所 属 : 新座志木中央総合病院名誉院長/
国際医療福祉大学大学院主任教授/
東京医科大学名誉教授
編 集 : 古川欣也(ふるかわ きんや)
所 属 : 東京医科大学茨城医療センター呼吸器外科教授
加藤治文・古川欣也
PDT実践ガイド― 光線力学的療法の最新エビデンス ―

ご略歴(加藤先生)
1969年3月東京医科大学卒業、1974年6月Sweden Karolinska研究所研究員、1988年2月東京医科大学外科学第一講座助教授、1989年4月京都大学医学部非常勤講師、1990年4月東京医科大学外科学第一講座主任教授、1991年9月同大学病院副院長。1998年5月国際細胞学会(IAC)会長、2000年9月国際肺癌学会(IASLC)会長、2001年4月千葉大学医学部非常勤講師、2003年4月広島大学医学部非常勤講師、2004年7月東京医科大学臨床プロテオームセンター長、2005年9月同大学副学長、2008年4月より現職。
肺癌の光線力学的療法(PDT)の考案者。現在も第一人者として活躍している。

ご略歴(古川先生)
1985年3月東京医科大学卒業、1989年11月医学博士(外科学)、1992年4月東京医科大学外科学第一講座助手、同年12月米国Roswell Park Cancer Instituteへ留学(PDTの研究)、2001年1月東京医科大学霞ヶ浦病院(現:茨城医療センター)呼吸器外科、同年4月同大学外科学第一講座講師(茨城医療センター)、2004年2月同大学外科学第一講座准教授(茨城医療センター)、2007年7月同大学外科学第一講座教授(茨城医療センター)、2009年9月同大学茨城医療センター副センター長を経て、現職。
2014年12月特定非営利活動法人日本レーザー医学会理事長。
現在も日々PDTをはじめとした肺癌治療や研究に尽力している。

監修の加藤先生、編集の古川先生より読者へのメッセージをいただきました。

(加藤先生)
PDTは光を光感受性物質に照射することによって生じる活性酸素(一重項酸素)によって癌を治療する方法であります。光に過敏な物質は“山”ほどありますし、光も色々な種類のものがあります。この組み合わせでよりよいPDTが引き起こせます。
さらに癌抗体に光感受性物質を合成することによってPDTの新たな展開が望めます。皆さん大いに研究していただけますと幸いです。

(古川先生)
この度、第2世代の腫瘍選択性光感受性物質のレザフィリン®と小型の低出力半導体レーザーを用いたPDTを中心に本書を編集させていただきました。最近、中心型早期肺癌以外の領域で、悪性脳腫瘍、化学放射線療法または放射線療法後の局所遺残再発食道癌に対するPDTの保険適用が追加され現在トピックスとなっています。本書は、エビデンスを基に実臨床でのPDTの施行方法の解説とともに豊富な症例写真の提示により非常にわかりやすい内容となっています。

<内容紹介>
光線力学的治療法(photodynamic therapy;PDT)が保険採用されて25年になろうとしているが、この間の新医療技術の開発によってPDTの適応範囲がやや狭小化したものの、近年本法の治療精度、安全性、低医療費などの面からPDTの優位性が再認識され、薬剤や機器の開発によってさらに清廉化されつつある。PDTの臨床応用は、早期癌に留まることなく脳腫瘍の治療や難治性食道癌への適応拡大が認められ、癌治療におけるPDTの臨床的意義はますます高まっている。今後、免疫PDTを含めた新規薬剤や励起法の開発による新しい治療分野への応用や各種癌治療との併用などでわが国発信の新技術を産出し、世界のリーダーシップを維持したいものである。
今回本書籍の編集にあたり、PDTを施行されるレーザー専門医がエビデンスに基づいた各臓器のガイドラインに沿って豊富な臨床例を重ねることによっていっそう洗練されたPDTの確立が実現されることを期待する次第である。
(序文より抜粋)

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ピックアップ
肺がんのゲノムワイド関連解析(GWAS)

がん分子標的治療 Vol.15 No.1, 19-22, 2017
吉田和史 ほか

肺がん発症に関わるリスク因子には、喫煙を代表とする環境因子や生まれながらにもつ遺伝要因があると考えられている。近年、欧米やアジアの研究グループが中心となり設立された国際・国内コンソーシアムにより、肺がんの発症リスクと関連する遺伝子多型が複数同定されている。しかしながら、その機能的意義はいまだ不明な点が多い。現在、その機能の解析、および肺がん発症に関わる環境因子、たとえば喫煙と遺伝要因を組み合わせることで、肺がん高リスク群の捕捉手法につなげられるか検討が試みられている。今後は、これらのリスク因子がいかに個々の発がんに影響を与え、反映されていくかを明らかにすることが、肺がんの個別化予防・治療に役立つと考えられる。

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新刊案内

『看護師特定行為研修 共通科目テキストブック 臨床推論』

発行日 : 2017年11月30日
編 集 : 錦織宏(にしごり ひろし)
所 属 : 京都大学医学教育・国際化推進センター准教授
 
看護師特定行為研修 共通科目テキストブック 臨床推論

厚生労働省が主導となり、2015年10月より「特定行為に係る看護師の研修制度」がスタートしました。従来、主に医師が行ってきた医療行為を、現場での判断も含めて看護師に委ねる制度です。本書「臨床推論」は、厚生労働省が定める共通科目7科目のうちの1科目です。厚生労働省が定めた基準に準拠した内容ですので、これから特定行為研修の受講を志す看護師の方や指導者の方に、研修のテキストとしてご利用いただけます。
また、単なる各論的な内容ではなく、医師と看護師の目線の違いを意識し、症例を中心とした内容ですので、研修修了後や医学部・薬学部・看護学部の学生の方にも参考書としてお使いいただけます。

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ピックアップ
質問をデザインする

DIABETES UPDATE Vol.5 No.4, 51-53, 2016
大橋健

今日の診療では、患者さんにどんな質問をしましたか? 患者さんの体調や、食事・運動のことなど、たくさん質問したはずです。
「その症状はいつからですか?」
「食事療法は守れていましたか?」
「ご家族に糖尿病の方はいますか?」
言うまでもなく、医者から患者さんに質問をする行為は「問診」と呼ばれ、短時間で効率よく患者さんから情報収集する力、すなわち「問診力」は基本的な臨床スキルです。
一方、コーチングでも「質問」は最も重要なスキルの1つ。今回は、私たちの「問診」とは一味も二味も違う、コーチの「質問」について考えてみましょう。

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『ナースお守り手帳2018』

発行日 : 2018年1月15日
編 集 : ナースお守り手帳研究会
 
ナースお守り手帳2018

2018年4月はじまりのカレンダーと、看護の現場で役立つ資料集で構成された手帳です。資料集は便利な知識を簡潔に、わかりやすくまとめています。2018年版は愛読者の声にこたえ、「包帯の巻き方」と「ナースの英会話」を新たに資料集へ追加しました。また、「ナースの心得 3つのポイント」と「用語集」を改訂しています。看護や介護の現場や実習先で役立つ、常に身につけておきたい1冊です。

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ピックアップ
三重県における医療連携の取り組みと課題

Frontiers in Alcoholism Vol.5 No.1, 27-32, 2017
高瀬幸次郎

アルコール依存症(ア症)患者は、多くの身体的有害事象を合併しており、精神科医のみ、または内科医のみの対応では、的確な治療は困難である。ア症患者の対応には、看護師、MSW、地域の保健所、行政などの種々のスタッフの協力、連携は不可欠である。三重県では、約20年前より、種々のスタッフによる連携医療がなされ、一定の成果をあげてきた。しかしながら、組織としての活動を維持するには牽引するスタッフの育成がきわめて重要である。一方、三重県の北勢部に位置する四日市市において数年前より「四日市アルコールと健康を考えるネットワーク」と称する組織が同地区に存在する総合病院や専門医療機関、保健所や医師会の協力により立ち上げられ、ア症に対して地域に密着した活動が順調に進行している。今後の課題として会を維持、発展させうるスタッフの育成がきわめて重要である。

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学会カレンダー

M-Reviewサイトアドバイザーの先生方よりご紹介いただいた注目の学会・研究会などをご紹介します。
※名前をクリックすると、M-Reviewに掲載されている先生の記事を読むことができます。

会期 学会名/会長 主会場
1/12~1/14 21 日本病態栄養学会年次学術集会
山田祐一郎
京都
国立京都国際会館
1/13 17 日本肝がん分子標的治療研究会
田中克明
横浜
パシフィコ横浜 会議センター
1/13~1/14 52 日本成人病(生活習慣病)学会学術集会
瀬戸泰之
東京
都市センターホテル
1/25~1/26 28 日本頭頸部外科学会総会ならびに学術講演会
春名眞一
宇都宮
栃木県総合文化センター
1/26 88 大腸癌研究会
長谷和生
東京
都市センターホテル

Editor's eye

2018年まで残り10日となりました。
お正月に初詣に参拝する方も多いのではないかと思います。そこで、今回は「おみくじ」の話題です。

おみくじは、国の祭政に関する重要事項を決定する際、神様の御声を聴くための道具として用いられていた“籤(くじ)”が起源となっているそうです。現在のように参拝者の運勢を占う形式になったのは、鎌倉時代からと言われています。
おみくじの縁起の良い順番は大きく分けて「大吉>中吉>小吉>吉>末吉>凶>大凶」と「大吉>吉>中吉>小吉>末吉>凶>大凶」の2パターンがあり、神社や地域によって違いがあるとのことです。
一部の神社では、吉凶以外に「平(たいら)」が使われています。 「平」は「平穏で穏やかな状態」を意味しており、神社により多少の違いはあるそうですが、吉と凶の間の位置に設定されています。

おみくじは、中に書かれている和歌や漢詩の内容も重要とされています。 おみくじを引いた際にはじっくり読んでみてください。

編集部S
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