No.53 2017.11.24 発行:株式会社メディカルレビュー社
てんかんについて正しく理解できる1冊
「新刊アイ」では、“先生のコメントから読み解く新規刊行物の魅力”をお伝えいたします。
今号では、てんかんの症状や診断・治療に加え、てんかんの患者さんが利用できる社会支援制度について対談形式で解説した『てんかんの教科書』のご紹介です。
- 新刊案内『てんかんの教科書』
- てんかんのある人が利用しやすいグループホーム
- 熱性けいれん
- 高齢者の夜間行動異常
『てんかんの教科書』
「てんかんってどんな病気?」
「どんな治療をするの?」
「日常生活で気をつけることは?」
―てんかんに関するさまざまな疑問に、本書がお答えします!
てんかんは、いつ、どこで、誰にでも生じる可能性のあるありふれた病気です。しかしながら、「てんかん」と一言で言っても患者さんの状態は非常に多種多様なものであり、また社会にはてんかんに対する偏見が今なお存在しています。
患者さん、ご家族、そして医療者を含めたてんかんにかかわるすべての人が正しくてんかんを理解すること、そして社会にてんかんについての正しい知識を普及していくことが重要です。
本書では、てんかんをとりまく現状や、これから取り組むべき事項についてわかりやすく解説しています。本書がてんかんについての正しい知識の普及に役立つ書籍となれば幸いです。
てんかんのある人が利用しやすいグループホーム
Epilepsy Vol.11 No.1, 32-34, 2017
田所裕二
てんかんがあっても安心して地域で暮らすための社会資源として、グループホームがあります。障害のある人や高齢の人を対象として、世話人などによる居宅支援や共同生活援助を目的に、地域のアパート、マンション、一戸建てなどを活用し全国で行われています。高齢の人を対象とする事業では、昼夜を通して過ごす生活の場となり、障害のある人を対象とする事業では、日中は就労(支援)活動で過ごし、夜間や休日に共同生活を行う住まいの場として、日常生活上の支援や相談が行われています。
ここでは、てんかんのある人が親亡き後も日常生活を普通に送るために利用できる障害のある人のグループホーム(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律/障害者総合支援法に基づく)について、4つの事業所の実践を参考にしながら現状と課題について示します。
熱性けいれん
Epilepsy Vol.10 No.1, 29-32, 2016
夏目淳
熱性けいれんは小児によくみられる疾患であり、一般小児科医、内科医、救急医、研修医などが診療する機会が多い。予後良好なことが多い疾患であるが、一方で鑑別診断、救急治療、再発予防法、検査の必要性、家族の不安に対する対応、予防接種など医師がとまどうことも多い。そのため、標準化された診療を行うための指針、ガイドラインが求められる。日本では1988年、1996年に熱性けいれん懇話会が示したガイドラインが長く用いられてきた。しかし最近の医療状況、臨床研究を加味した新しいガイドラインが必要と考えられ、2015年に熱性けいれん診療ガイドライン2015が発行された。本稿ではガイドライン2015の内容を含めて、熱性けいれんの定義、疫学、診断と治療について述べる。
高齢者の夜間行動異常
Pharma Medica Vol.35 No.3, 29-33, 2017
小鳥居望 ほか
高齢者では睡眠障害の頻度が高まることが知られているが、なかでも認知症では大脳の器質障害がより広範囲に及ぶために、夜間にさまざまな行動障害が生じる頻度が高くなる。このような夜間の行動障害は本人の事故のリスクを高めるだけでなく、家族や介護者にも多大な負担と生活の質(quality of life;QOL)の低下を強いることから、その対応は重要である。
睡眠時随伴症のうち、ノンレム睡眠時随伴症のほとんどはStage3、4の徐波睡眠時に発現するもので、好発するのは小児期~青年期であり、徐波睡眠がみられにくくなる高齢者での発現はまれである。よって高齢者に生じる睡眠時随伴症の多くはレム睡眠時随伴症で、このうち夜間の激しい異常行動として問題になるのはレム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder;RBD)である。本稿では、RBDとその他高齢者に比較的多くみられる睡眠関連てんかんと夜間せん妄の病態と対策に焦点をあてて概説する。
M-Reviewサイトアドバイザーの先生方よりご紹介いただいた注目の学会・研究会などをご紹介します。
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会期 | 回 | 学会名/会長 | 主会場 |
---|---|---|---|
11/29~11/30 | 30 | 日本外科感染症学会総会学術集会 北川雄光 |
東京 京王プラザホテル |
12/2~12/3 | 33 | 日本糖尿病・妊娠学会年次学術集会 鮫島浩 |
宮崎 シーガイアコンベンションセンター |
12/7~12/9 | 30 | 日本内視鏡外科学会総会 坂井義治 |
京都 国立京都国際会館 |
12/15~12/16 | 3 | 日本産科婦人科遺伝診療学会学術講演会 苛原稔 |
淡路 淡路夢舞台国際会議場 |
12/16~12/17 | - | 脳心血管抗加齢研究会2017(アンチエイジングフェスタ2017) 佐田政隆 |
大阪 梅田スカイビル |
12/16~12/17 | 4 | 日本アレルギー学会 総合アレルギー講習会 庄司俊輔 |
横浜 パシフィコ横浜 会議センター |
M-Review学会カレンダーでは、さらに多くの学会・研究会の日程をご紹介しております。 |
先日、2018年ロシアで開催されるサッカーW杯の出場国全32ヵ国が決まりました。開幕は6月14日なので、まだ半年以上期間がありますが、早くも試合の組み合わせ抽選会は今年の12月1日に行われます。
調べてみると、出場国の半分は世界ランキング上位20位以内に入っていました。さすがはW杯、レベルが高いです。
日本は6大会連続6回目の出場。
初めてのW杯出場を決める試合となった「ジョホールバルの歓喜」は、今から20年前の1997年11月16日になります。
今年の11月から新しいユニフォームが起用されていますが、今回使われている色は「勝色(かちいろ)」という紺色の一種です。平安時代に染めた布を板の上に広げて叩く事から「褐色」と呼ばれたのが始まりとされていますが、鎌倉時代に「勝」の字をあてる事により縁起物として武士に愛好されるようになりました。
勝負色に相応しい色ですね。
日本の対戦国はどこになるのか、代表メンバーはどうなるのか…今から楽しみです。
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