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投稿日時:2016/03/14(月)

M-Review Hightlight
新刊アイ

No.33 2016.03.14 発行:株式会社メディカルレビュー社

最強の皮膚科医になる!/敏感肌の診かたが今日からわかる!

「新刊アイ」では、“先生のコメントから読み解く新規刊行物の魅力”をお伝えいたします。
今号では、皮膚科医の基礎研究から治療のさじ加減まで、網羅的な知識を得ることができる『WHAT’S NEW in 皮膚科学 2016-2017』と、美容皮膚科を牽引してきた著者による、これまでになかった敏感肌診療ノートである『敏感肌の診療 スキンケアの指導からタイプ別の治療まで』のご紹介です。

目次
新刊案内『WHAT’S NEW in 皮膚科学 2016-2017』
小児におけるラニナミビルの吸入指導のポイント
新刊案内『敏感肌の診療 スキンケアの指導からタイプ別の治療まで』
B型肝炎ウイルス感染症に関する最近の動向

新刊案内

『WHAT’S NEW in 皮膚科学 2016-2017』

発行日 : 2016年2月29日
編 集 : 宮地良樹(みやち よしき)
所 属 : 滋賀県立成人病センター病院長/
京都大学名誉教授
編 集 : 鶴田大輔(つるた だいすけ)
所 属 : 大阪市立大学大学院医学研究科
皮膚病態学教授
鶴田大輔
『WHAT’S NEW in 皮膚科学 2016-2017』

ご略歴(鶴田先生)
1992年 大阪市立大学医学部卒業。1998~2000年 生登会寺元記念病院皮膚科医長。1999年 大阪市立大学大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。2000~2003年 米国ノースウエスタン大学細胞分子生物学教室博士研究員。2003~2005年 大阪市立大学病院講師。2006~2011年 大阪市立大学大学院講師。2011年 久留米大学准教授。2011~2013年 大阪市立大学大学院講師、久留米大学客員准教授。2013年4月~現在、大阪市立大学大学院教授、久留米大学客員教授。2015年4月~大阪市立大学医学部附属病院病院長補佐。

編集委員を代表して、鶴田先生にお話をうかがいました。

――本書のご紹介をお願いいたします。
皮膚科領域における最新の話題を網羅した、隔年発行のシリーズです。専門の先生方にご執筆をお願いし、「What's new?」「Essence」「Why important?」という構成でわかりやすくまとめていただきました。素朴な疑問についてのコラムも掲載しています。

――本書を編集されるなかで、苦労されたことはございますか?
これが私にとって初めての編集の経験でした。プロの先生方をいかに選ぶかだけで事足りるとイージーに考えておりましたが、プロの先生方のお考えをいかに引き出すかということに労力がかかることを初めて知りました。

――本書タイトルの「What's new?」にちなんで、鶴田先生のまわりで最近起きたことや気になっていることを教えてください。
学会の仕事や大学間交流の関係で、東アジアや東南アジアに行く機会が増えました。特に韓国です。コミュニケーションのために挨拶程度の言葉は覚えるように努力しています。

――読者の先生方にメッセージをお願いいたします。
「WHAT’S NEW in 皮膚科学」は私が最も愛する書籍の一つです。熟読頂いて、私が得たと同様の感動を皆様方と分かち合いたいと思っています。そして、忌憚なきご意見をお待ち致しております。

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ピックアップ
小児におけるラニナミビルの吸入指導のポイント

インフルエンザ Vol.17 No.1, 23-24, 2016
浦上勇也

現在、抗インフルエンザ薬として投与可能な薬剤は、内服薬のオセルタミビル、吸入薬のザナミビルとラニナミビル、静注薬のペラミビルがある。オセルタミビルとザナミビルは1日2回、5日間投与する必要があり、症状改善による服薬中止や服薬忘れの懸念がある。一方、ラニナミビルは一度の吸入療法で治療が完結するため服薬コンプライアンスへの影響は少ないが、正確に吸入できるかが重要となる。特に、小児においては吸入状況の良し悪しによる臨床効果への影響が問題となる。また、低年齢ほど吸入状況が悪化し、効果発現に影響を与えることが報告されている。そこで筆者らは、小児におけるラニナミビルの吸入評価と臨床効果との関係を明らかにするとともに、小児における適切な吸入指導法を検討するため調査を実施した。

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新刊案内

『敏感肌の診療 スキンケアの指導からタイプ別の治療まで』

発行日 : 2016年2月29日
著 者 : 漆畑修(うるしばた おさむ)
所 属 : 宇野皮膚科医院院長/東邦大学客員教授
漆畑修
『敏感肌の診療 スキンケアの指導からタイプ別の治療まで』

ご略歴(漆畑先生)
1948年 静岡県出身。
静岡県立清水東高等学校卒業後、1973年 東邦大学医学部卒業。東邦大学医学部講師、同准教授、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科部長、美容医学センター長、栄養部長、院長補佐を経て現職。医学博士。
医療法人社団アルテミデ理事長。
皮膚科専門医、温泉療法医、サプリメントアドバイザー。
専門はヘルペスウイルス感染症、美容皮膚科学、アトピー性皮膚炎、温泉療法。
著書に『痛みを残さない帯状疱疹 再発させない単純ヘルペス』『美しくなる入浴術』(メディカルトリビューン)、『美容のヒフ科学 改訂9版』(改訂、南山堂)他。

漆畑先生より本書に込めた想いをうかがいました。

――「敏感肌」の臨床テキストは、これまでありませんでしたね。
「敏感肌」は、言葉だけがひとり歩きしてきましたが、そうではいけないとずっと思っていました。日々、患者さんの診療に携わるとともに、美容皮膚科の仕事を続ける中で、ずっと考えてきたことを今回の書籍にまとめたのです。「敏感肌」と曖昧に括られていたそれぞれの症状を私なりに分類し、いくつかの皮膚疾患に当てはめて、生活指導を含めた具体的な治療法について述べています。

――「敏感肌」という言葉は広く使われていますが、皮膚科学的な用語ではなかったのですね。
そうです。皮膚科の教科書にも載っていません。「敏感肌用の化粧品」「低刺激性のサンスクリーン」などという表現で、化粧品業界で生まれた言葉だと思われますが、今では一般の方はもちろん、皮膚科医でも日常診療の場で「敏感肌」という言葉を使っているのが現状です。

――「敏感肌」に当てはまるような患者さんに対して、医師はどのように接したらよいと思いますか。
やはり、患者さんにも「脂漏性皮膚炎です」「シャンプー剤による接触皮膚炎です」ときちんと病名を告げ、なぜそうなったのかを説明することが大切だと思います。「季節の変わり目の肌荒れです」「かぶれですね」などと、曖昧ないい方をしてしまうと、患者さんは不安になって薬剤のアドヒアランスも低下するし、場合によっては信頼できないと感じて来院しなくなり、ドクターショッピングを繰り返す原因にもなります。医師にとっては深刻な疾患ではないかもしれませんが、患者さんにとっては顔が真っ赤になったり、カサカサになったりすることはとても辛いし、不安になる状態だからです。

――しかし、限られた外来の時間内で、患者さんに疾患の機序からスキンケアの指導まですることは可能でしょうか。
病院でもクリニックでも、現実的には難しいですよね。私も、日々の外来で患者さんに丁寧に説明したいと力が入る余り、一人の患者さんの診察時間が長くなって、しばしばスタッフから叱られています(笑)。本書を執筆するきっかけも、そこからでした。試行錯誤の末、今回の書籍には、本を開いてコピー機で拡大コピーするとそのまま患者さんに渡すことができる「患者さんシート」を載せています。敏感肌に分類されるような「脂漏性皮膚炎」「成人ざ瘡」「接触皮膚炎」「光線過敏症」「アトピー性皮膚炎」の疾患の解説から、ステロイド外用薬や保湿剤の説明、正しいスキンケアのやり方、そして皮膚のバリア機能を低下させないためのライフスタイルのアドバイスまで、何種類も揃っています。当初の予定より種類が増えてしまいましたが、先生方にぜひ使っていただきたいですね。

――「敏感肌」の患者さんへの対応のために、化粧品に関する情報も掲載されていて、患者さんのスキンケア指導に役立ちそうですね。
はい。最終章には、化粧品の紹介も載せています。敏感肌にも対応する低刺激性の化粧品を開発してきたいわゆる「ドクターズコスメ」は、数多くの優れた製品が市販されています。ところが、われわれ皮膚科医、特に男性医師の多くは、化粧品のことに詳しくないため、患者さんに聞かれてもきちんと答えられません。今回、そのような化粧品をリストアップしてみて、私自身もよい勉強になりました。

――最後に読者へのメッセージをお願い致します。
肌荒れを悪化させるものとして、間違った洗顔法や睡眠不足、食生活の偏り、ストレスなども忘れてはいけません。「敏感肌」の代表的な症状である軽度~中等度の湿疹・皮膚炎には、薬を処方するだけでなく、スキンケアやライフスタイルの改善が有効であることを、もっと患者さんに伝えていただきたいと思います。

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ピックアップ
B型肝炎ウイルス感染症に関する最近の動向

Surgery Frontier Vol.22 No.3, 29-34, 2015
水口徹 ほか

B型肝炎はワクチン接種が任意に行われているが、現在でも水平感染が確認されている。ワクチンは、Genotype A由来のものとC由来のものがあるが、わが国では慢性化しやすいGenotype Aが水平感染で増加している。肝炎マーカーが陽転化するまでにはタイムラグがあり、ウインドウ期間と呼ばれる。ウインドウ期間を短縮させるためのNAT検査が行われている。針刺し時の対応は2013年にCDCで改定がなされ、ワクチン投与法も改訂されている。ウイルス再活性化は、免疫抑制療法や抗悪性腫瘍療法で起きうる。再活性化予防のガイドラインでは全例でスクリーニングを行い、モニタリングや予防投与を推奨している。B型肝炎に関しては、水平感染のみならず、既感染者における再活性化・de novo肝炎の問題がある。劇症化した再活性化・de novo肝炎は予後不良であり、日常臨床上、常に念頭に置く必要がある。

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学会カレンダー

M-Reviewサイトアドバイザーの先生方よりご紹介いただいた注目の学会・研究会などをご紹介します。
※名前をクリックすると、M-Reviewに掲載されている先生の記事を読むことができます。

会期 学会名/会長 主会場
3/17~3/19 88 日本胃癌学会総会
佐野武
別府
B-Con Plaza 別府国際コンベンションセンター
3/17~3/19 15 日本再生医療学会総会
西田幸二
大阪
大阪国際会議場
3/18~3/20 80 日本循環器学会学術集会
下川宏明
仙台
仙台国際センター 他
3/20~3/21 19 心理教育・家族教室ネットワーク研究集会東京大会
水野雅文
東京
大田区産業プラザPiO
3/25~3/26 11 日本統合失調症学会
福田正人
前橋
群馬県民会館 ベイシア文化ホール

Editor's eye

前回ご紹介した袖口のボタン以外で、ナポレオンが関係し後世に残っているものの1つとして「缶詰」があります。

遠征の多かったナポレオンにとって、兵士の士気を維持するためにも、病気の蔓延を防ぐためにも、おいしく、新鮮で長期的に保存できる食糧を調達することは不可欠でした。そこで、政府は手法を考えた人に懸賞金を払うことを約束し公募を行いました。そして、1804年に料理人であるニコラ・アペールにより缶詰の原理が発明されたのです。その方法は、ガラスびんの中に食物を入れコルク栓で密封し加熱殺菌するというものでした。

当時の新聞に“季節を容器に封じ込める技法”と書かれたこの技術により、今では数多くのものが1年中食べられるのかと思うと感慨深いものがあります。

編集部S
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