No.27 2015.08.20 発行:株式会社メディカルレビュー社
5つのチャプターから読み解く! 高尿酸血症の病態解明と最新の知見
「新刊アイ」では、“先生のコメントから読み解く新規刊行物の魅力”をお伝えいたします。
今号は“古くて新しい”高尿酸血症について、誰にでも見やすく、わかりやすく解説された『ここまで明らかになった! 尿酸代謝ワールドと高尿酸血症の病態解明~診療と医学の最前線~』のご紹介です。高尿酸血症に携わる全ての医療従事者必見の一冊です。
- 新刊案内『ここまで明らかになった! 尿酸代謝ワールドと高尿酸血症の病態解明
~診療と医学の最前線~』 - 高尿酸血症と心血管障害 第3回 高尿酸血症と心不全
- 周術期および侵襲的検査前後の抗凝固薬
- 痒疹はどのようにしてできるのか~動物のデータから~
『ここまで明らかになった! 尿酸代謝ワールドと高尿酸血症の病態解明
~診療と医学の最前線~』
ご略歴(下村先生)
1989年 大阪大学医学部医学科卒業、大阪大学第2内科学入局。1993年 大阪大学大学院医学博士課程修了(内科学)後、市立豊中病院内科医員。1995年 米国テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターへ留学。2001年 大阪大学大学院医学系研究科分子制御内科学(第2内科学)特任研究員、2002年 同院生命機能研究科・医学系研究科病態医科学教授、2004年 同院医学系研究科分子制御内科学(第2内科学)教授を経て、2005年より現職。2012年より同院栄養マネジメント部長兼任。
ご略歴(益崎先生)
1989年 京都大学医学部医学科卒業後、京都大学医学部付属病院研修医。1990年 高槻赤十字病院(大阪府)内科、1992年 京都大学大学院医学研究科博士課程入学(分子医学専攻)、1996年 医学博士取得。1999年 京都大学医学部内分泌内科助手、2000年 米国ハーバード大学へ留学(招聘博士研究員・客員助教授)、2003年 京都大学内分泌代謝内科助手(復職)、2008年 同講師を経て、2009年より現職。
本書発刊に際し、編集の先生方よりコメントを頂戴しました。
今回、本書では、学問の最新を追及しながら、高尿酸血症に興味をもつ医師、栄養士、看護師、保健師、学生、誰にでも取っ付きやすく見やすく、そしてわかりやすいように執筆していただいた。
本書で多くの先生方が語られるように、尿酸の歴史は新しい。医学的には、高尿酸血症は痛風の前状態としての認識のみがなされてきて、それ自体の病態学的意義が深く顧みられることはほとんどなかった。また肥満をはじめとしてさまざまな代謝異常の随伴症候としては認識されていたが、病態学的に上流因子として関与するという考え方はきわめて希薄であった。しかし、尿酸トランスポーターの発見や新たな選択的XOR阻害薬の開発等、多くの先人たちの努力によって、“高尿酸血症”という病因学・病態学にわたる新しい医学の歴史が始まった。
これから必要となるのは、“高尿酸血症”治療により本当にマスとして人が救われていくのか否かである。そのことを明らかにするためのいくつかの研究が進みつつあるが、まずはしっかり最新の知見・見解を勉強し、自分たちがお会いする患者さんに中長期的な視点で“高尿酸血症”に対しての最良の治療を考えていくことが大切だと思う。本書が、皆様の力を通してそのような患者さんたちに確かに役立たれることを願っている。
高尿酸血症と心血管障害 第3回 高尿酸血症と心不全
高尿酸血症と痛風 Vol.23 No.1, 77-83, 2015
荻野和秀
高尿酸血症は心不全患者にしばしば認められる合併症である。血清尿酸値は、心不全患者の運動耐容能、末梢循環不全、炎症マーカー、左室拡張能などと関連していると報告されている。さらに、血清尿酸値は心不全患者の予後予測因子であるという報告がなされ、心不全における尿酸の病態生理学的意義が注目されているが、その詳細についてはまだよくわかっていない。本稿では、心不全に合併する高尿酸血症の発症機序、高尿酸血症と心不全の発症および予後との関連性、心不全に合併する高尿酸血症治療の意義について、最近の知見を交えながら概説する。
「心不全に合併する高尿酸血症の発症機序」心不全において高尿酸血症が発症する機序については尿酸の生成増加と排泄低下の両面から考えられる。生成増加に関しては、主にキサンチンオキシダーゼ(XO)活性の亢進が心不全患者に合併する高尿酸血症の原因といわれている。心不全患者では、利尿薬の使用や腎機能低下とは無関係にXO活性が亢進していると報告されている。
周術期および侵襲的検査前後の抗凝固薬
脳と循環 Vol.20 No.2, 53-58, 2015
湯澤ひとみ ほか
心房細動患者の抗凝固療法において、従来のワルファリンと新しいタイプのNOACがすべて出揃い、個々の病態に応じたテーラーメイドの治療を選択することができるようになった。その一方で、周術期や侵襲的検査の前後の管理においてはさらなる知識が求められ、ガイドラインに準じた治療の必要性が論じられるようになった。本稿では、ガイドラインを提示しながら周術期管理と侵襲的検査前後の抗凝固薬のあり方について概説する。
痒疹はどのようにしてできるのか~動物のデータから~
皮膚アレルギーフロンティア Vol.13 No.2, 27-30, 2015
端本宇志 ほか
痒疹とは、激しい瘙痒を伴った丘疹や結節を主症状とする頻度の高い皮膚疾患であり、糖尿病や慢性腎不全、内臓悪性腫瘍、アトピー性皮膚炎などに随伴して生じることが多い。痒疹の病態は明らかではなく、いまだ有効な治療も確立していない。われわれは、抗原特異的IgEの存在下に抗原を反復してマウスの皮内に投与すると、ヒトの痒疹に類似した、瘙痒を伴う丘疹ないし結節性の病変を誘導できることを見出した。この病変は好塩基球に依存し、マウス個体内から好塩基球を除去すると痒疹類似病変は減弱した。また、この反応は免疫学的にTh2反応であることがサイトカイン解析から判明した。これらの特徴はヒトの痒疹の特徴と類似しており、今後解析が進めば痒疹の病態が解明できる可能性がある。
M-Reviewサイトアドバイザーの先生方よりご紹介いただいた注目の学会・研究会などをご紹介します。
※名前をクリックすると、M-Reviewに掲載されている先生の記事を読むことができます。
会期 | 回 | 学会名/会長 | 主会場 |
---|---|---|---|
8/21~8/22 | 42 | 日本マススクリーニング学会学術集会 杉原茂孝 |
東京 大手町サンケイプラザ |
8/22~8/23 | 32 | 和漢医薬学会学術大会 白木公康 |
富山 富山国際会議場 |
8/25~8/27 | 57 | 日本平滑筋学会総会 小林誠 |
宇部 山口大学小串キャンパス総合研究棟 |
8/28~8/29 | 42 | 日本膵切研究会 權雅憲 |
大阪 コングレコンベンションセンター |
8/28~8/29 | 17 | 日本褥瘡学会学術集会 館正弘 |
仙台 仙台国際センター |
8/29~8/30 | 15 | 日本糖尿病情報学会年次学術集会 佐倉宏 |
東京 海運クラブ |
8/30 | - | ドライマウスセミナー2015 斎藤一郎 |
東京 エスティック情報ビル21階 会議室A |
M-Review学会カレンダーでは、さらに多くの学会・研究会の日程をご紹介しております。 |
夏はお祭りが各所で開催されます。
屋台の定番のひとつが、金魚すくい。江戸時代の浮世絵には既に金魚すくいの様子が描かれていたようです。世界一大きい金魚すくいとしてギネス世界記録に認定されているものは、毎年、神奈川県藤沢市で開催されていて、なんと全長63メートル、金魚30,000匹、めだか5,000匹、どじょう1,000匹が入っているそうです。
全国には、かに釣りや、ヤドカリすくいなど未だ見かけたことのない珍しい屋台が存在しているとか。屋台のラインナップにはその土地ならではの色が出るのでとても興味深いですね。
- このメールは「新刊アイ」に登録されているM-Square会員の方にお送りしています。
- このメールは送信専用メールアドレスから配信しています。このままご返信いただいてもお答えできませんのでご了承ください。
- 「新刊アイ」配信先の変更は、メールアドレス変更フォームからお願いします。
- 内容・記事に対するお問い合わせは、お問い合わせフォームからご連絡ください。
- メールマガジン配信・停止の設定は、こちらより行ってください。