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投稿日時:2014/07/28(月)

Vol.69

M-Review hightlight
新刊アイ

No.15 2014.07.28 発行:株式会社メディカルレビュー社

疾患診療を栄養面から適切に支援するための5つのチャプター

「新刊アイ」では、“先生のコメントから読み解く新規刊行物の魅力”をお伝えいたします。
今号では、教科書としても、現場の診療ガイドラインとしても使用可能な『認定NSTガイドブック2014 改訂第4版』のご紹介です。
多くの職種の方が連携してNST活動を進める中で、必携の一冊です。

<お知らせ>
定期雑誌『WHITE』のバックナンバーの記事がM-Reviewで読めるようになりました!
女性医療に携わる医師を対象にした、女性のウェルエイジングのための医学雑誌です。

目次
新刊案内『認定NSTガイドブック2014 改訂第4版』
重症病態に対する栄養管理の実際 (4) 急性呼吸不全
女性における脳梗塞の特徴
日本人2型糖尿病の特徴は?

新刊案内

『認定NSTガイドブック2014 改訂第4版』

発行日 : 2014年7月10日
編 集 : 一般社団法人 日本病態栄養学会
編集者 : 村上啓雄 (むらかみ のぶお)
所 属 : 岐阜大学医学部附属病院生体支援センター教授
編集者 : 中屋豊 (なかや ゆたか)
所 属 : 徳島大学名誉教授
『認定NSTガイドブック2014 改訂第4版』

編集者の村上先生と中屋先生に本書の特徴についてうかがいました。

診療現場でNST活動をこれから開始するためのHow to本として2004年に最初に出版された本書は2008年、2011年と版を重ねるごとに内容の充実を図ってきました。
今回の改訂では、第3版の内容をそれぞれブラッシュアップすることを中心に作業を行いましたが、以前からの箇条書きスタイルを踏襲しつつ各項目を「病態栄養の基礎」、「栄養投与法」、「病態別栄養管理」、「症候別栄養療法」、「演習」の5章に整理して、より教科書として検索しやすいように配慮しました。また、ほとんどの項目に「症例」を提示し、NSTメンバー各職種が診療現場で患者さんに寄り添った栄養管理を体感し、実践しやすいように配慮しました。内容についても各項目で最新の情報をもとにリニューアルし、写真や図表を多く用いてボリュームアップし、現場の診療ガイドラインとしても使用可能な体裁に整えました。
医師、看護師、薬剤師をはじめとした多職種の連携によるNST活動の中で、それぞれの職種が現場で患者さんに直接接して、その訴えに傾聴し、疾患診療を栄養面から適切に支援するための入門書として、また繰り返し精読する教科書として、さらには各施設において栄養管理マニュアル策定の参考書として、大いに活用されることを期待しております。

詳細はこちら

ピックアップ
重症病態に対する栄養管理の実際 (4) 急性呼吸不全

栄養-評価と治療 Vol.29 No.4, 48-50, 2012
宮田純 ほか

本稿では、急性呼吸不全に伴って必要とされる栄養管理に焦点を当てて解説されています。
人工呼吸管理を要するような急性呼吸不全症例では、基礎疾患により発症前より栄養状態が不良であることも多く、呼吸筋力を維持し、早期に原疾患から回復、ICU退室、離床、退院するためにも、早期の栄養管理の重要性が説かれています。
また、栄養療法には、オメガ3脂肪酸のように、筋力、体力の維持のみならず、原疾患の薬物治療の補助療法として期待されているものもあり、今後、呼吸状態や原疾患に応じて細分化された栄養療法の発展が待たれます。

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ピックアップ
女性における脳梗塞の特徴

WHITE Vol.1 No.1, 23-27, 2013
石束光司 ほか

近年、性差医療の研究が広く行われるようになり、超高齢化社会の到来とともに、増加の一途をたどっている脳卒中やその3分の2を占める脳梗塞もまた、性差のある疾患であることが明らかとなっています。
ライフスタイルの差異は小さくなっていると考えられる一方で、高血圧症・糖尿病・脂質異常症など脳梗塞の危険因子そのものにも生物学的な性差があることから、性差に留意した生活習慣病・脳卒中診療は重要です。
女性における脳梗塞の特徴は、高齢者における心原性脳塞栓症の頻度が高く、重症化しやすいことにあります。生活習慣病による脳梗塞発症への寄与は女性の方が高いと考えられており、閉経後は特に生活習慣を含む危険因子の管理が重要になると考えられます。
本稿では、筆者らが実施している脳卒中のデータベース研究の知見を交えながら、「女性」における脳梗塞の病態やリスクの特徴について述べられています。

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ピックアップ
日本人2型糖尿病の特徴は?

DIABETES UPDATE Vol.2 No.3, 26-33, 2013
河盛隆造

全身のいかなる細胞で、どのようなことが起こっているのか、それがどのように変化してきているのかを詳細に推定、観察していくことが基礎、臨床糖尿病学を大きく進展させることになります。
本稿では、インスリン分泌動態を末梢血インスリンレベル(IRI)動態から正しく推察することの難解さが、日本人と欧米人の比較を交えつつ示されています。末梢血血糖値、IRIのみで病態を判断するのではなく、肝に流入するブドウ糖、インスリン、グルカゴン、それ以外の種々の物質によるカクテルの比率の変化、カクテルを受け取る肝、筋などの性状、などによって血糖応答が決まっており、その血糖値が膵β細胞のインスリン分泌、さらには全身細胞でのインスリン作用に影響をおよぼしている、と捉え判断すべきであることが強調されています。

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学会カレンダー

M-Reviewサイトアドバイザーの先生方よりご紹介いただいた注目の学会・研究会などをご紹介します。
※名前をクリックすると、M-Reviewに掲載されている先生の記事を読むことができます。

会期 学会名/会長 主会場
7/30~7/31 30 日本DDS学会学術集会
水島徹
東京
慶應義塾大学薬学部芝共立キャンパス
8/2~8/3 14 日本糖尿病情報学会年次学術集会
武田純
岐阜
じゅうろくプラザ(岐阜市文化産業交流センター)
8/6~8/8 56 日本平滑筋学会総会
峯徹哉
横浜
新横浜プリンスホテル
8/8~8/10 24 日本病態生理学会大会
上田陽一
北九州
北九州国際会議場

Editor's eye

夏によく目にする、波と鳥に赤い文字。
なんだかお分かりになりますか?

正解は、かき氷の幟です。“氷旗”と呼ぶそうで、どこに行っても、ほとんど似ているデザインを見かけます。
描かれている波と千鳥は、夫婦円満の象徴なのですが、波が清涼感を連想させるのでしょうか。日本では平安時代からかき氷の記述がみられますが、明治期に原型が作られたようです。

うだるように暑い夏の日、街中でこの氷旗をみとめると、それだけで少し涼しくなったような気持ちになります。
昔から続く、涼をとる工夫は風流なものが多く、色あせない日本の夏の風物詩としてこれからも語り継がれていくことを願うばかりです。

編集部S
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