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投稿日時:2017/06/12(月)

M-Review Highlight
学会アイ

No.73 2017.06.12 発行:株式会社メディカルレビュー社

肝癌診療のエビデンスとコンセンサス/症例報告を中心に精神医学を学ぶ

本日6月12日は、「児童労働反対世界デー」です。
国際労働機関(ILO)が2002年に制定し、世界各地で毎年キャンペーンが行われています。
2012年時点で児童労働者数は1億6,800万人。世界の子どもの約9人に1人が児童労働者だそうです。
児童労働者の多くは紛争地帯や災害被災地で暮らしていることから、2017年の児童労働反対世界デーでは、紛争や災害が児童労働に与える影響に焦点を当てています。

さて、今号では「第53回日本肝癌研究会」「東京精神医学会第110回学術集会」をご紹介いただきます。ぜひご覧ください。

目次
「第53回日本肝癌研究会」2017年7月6日(木)~ 7日(金)
腎細胞癌術後に出現した肝腫瘍
「東京精神医学会第110回学術集会」2017年7月8日(土)
特集 統合失調症診療の新たな展開 特集にあたって
学会レポート「第60回日本腎臓学会学術総会」

学会・研究会開催のお知らせ

第53回日本肝癌研究会

会 期 2017年7月6日(木)~7日(金)
会 長 國土典宏
(国立国際医療研究センター理事長/東京大学
肝胆膵外科・人工臓器移植外科教授)
会 場 京王プラザホテル(東京)
國土典宏先生

第53回のテーマは、「肝癌診療 エビデンスとコンセンサス」といたしました。エビデンスに基づく肝癌診療ガイドライン初版が2005年に発刊されて以来、Evidence Based Medicineの考え方がわが国の肝癌診療にも浸透しました。第4版ガイドラインも、2017年に完成予定です。一方でコンセンサスについては、これまで確立した方法論に基づいた形成作業が充分行われているとは言えない状況です。本研究会では肝癌診療に関わる重要なClinical Questionを取り上げ、エビデンスを検証するとともにコンセンサス形成を行う場を提供したいと思います。

ピックアップ
腎細胞癌術後に出現した肝腫瘍

The Liver Cancer Journal Vol.8 No.2, 71-76, 2016
浅岡良成 ほか

腎細胞癌術後に出現した肝腫瘍の症例を経験した。画像診断では、肝転移と肝細胞癌との鑑別が困難であり、示唆に富む症例であったため報告する。

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学会・研究会開催のお知らせ

東京精神医学会第110回学術集会

会 期 2017年7月8日(土)9時より15時まで
会 長 池淵恵美
(帝京大学医学部精神科学教室主任教授)
会 場 帝京大学本部棟2階 臨床大講堂
 (帝京大学病院となり)(東京)
池淵恵美先生
 

症例報告を中心に臨床実践に即した17演題で、症状・器質性精神障害、統合失調症圏の治療、気分障害、思春期・青年期への支援の4セッションです。いずれも精神神経学会専門医の単位取得可能です。
*ランチョンセミナーでは、治療に反応しない精神病症状が長く継続したが、20年の経過の中で回復し一般就労している当事者とその支援者の体験談があります。
*15時30分より18時30分まで引き続き生涯教育研修会を開催します。「外来でケアの難しい疾患」をテーマに、林直樹先生、松本俊彦先生、西園マーハ文先生にお話しいただきます。こちらは日本精神神経学会の会員であれば参加できます。専門医の単位取得ができます。

 

●学術集会への参加者は守秘義務を負う東京精神医学会会員医師に限定されます。
●当学会への入会は精神科医師に限られ、理事の推薦が必要です。

 

詳細は以下のホームページをご覧ください。
http://www.tkypa.org/top/meeting_guide

ピックアップ
特集 統合失調症診療の新たな展開 特集にあたって

Pharma Medica Vol.34 No.9, 7, 2016
大森哲郎

統合失調症の急性期治療として、高力価のハロペリドールと低力価のクロルプロマジンを併用し、しかも高確率で出現するパーキンソン症状に対して予防的に抗コリン薬も処方するのが標準的であった時代はずいぶん昔のように思えるが、実はまだ20年も経っていない。この疾患の薬物治療は、この期間にすっかり変化したことに改めて気付かされる。新規非定型抗精神病薬の従来薬に対する効果そのものにおける優越性が報告されているが、その導入とともに薬物を単剤・適量で使用するという処方習慣が根付いたことにそれ以上の意義がある。過剰鎮静やパーキンソン症状の出現を回避しながら治療を進めるのが、当然視されるようになっている。

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学会レポート

第60回日本腎臓学会学術総会

会期 2017年5月26日(金)~28日(日)
会長 伊藤貞嘉
(東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座
腎・高血圧・内分泌学分野教授)
会場 仙台国際センター
 
 

高尿酸血症合併CKD患者の腎機能低下に対するフェブキソスタットの効果
~プラセボ対照二重盲検試験~

 

近年の疫学研究で,尿酸は慢性腎臓病(CKD)の発症・進展のリスクファクターであることが示されており、種々の尿酸トランスポーターの関与などが明らかとなってきている。そんな中、高尿酸血症を合併したCKDステージ3の患者を対象とした、フェブキソスタット投与による腎機能低下抑制効果を前向きに検証したFEATHER studyの結果が、第60回日本腎臓学会学術総会にて、東京慈恵会医科大学名誉教授の細谷龍男氏より発表された。
本試験は64施設から登録された443例を無作為にフェブキソスタット群(221例)とプラセボ群(222例)に割り付け、主要評価項目としてeGFRの1年当たりの変化量を2年間経過観察した研究である。副次評価項目として血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率、痛風関節炎や有害事象の発現なども検討された。
細谷氏によると主要評価項目であるeGFRの傾きは両群間で有意差は認められなかった。副次評価項目について、血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率はフェブキソスタット群でプラセボ群より有意に高かった。また痛風関節炎の発現率ではフェブキソスタット群でプラセボ群より有意に少なかった。本試験の対象患者は、痛風関節炎の既往のない患者を対象としており、これは痛風関節炎の既往のない高尿酸血症を有するCKDステージ3の患者に対して、フェブキソスタットを投与することにより、痛風関節炎の予防を示した、初めての臨床試験結果であると同氏は述べている。
年齢、性別、合併症の有無など、部分集団も解析した結果、女性および糖尿病を合併している患者について、eGFRの傾きはフェブキソスタット群でプラセボ群より有意に小さかった。この結果について細谷氏は、近年の観察研究において女性では、高尿酸血症により腎機能が影響を受けやすいこと、また糖尿病は心血管系イベントの独立した危険因子であることが示されており、このようなハイリスク患者の腎機能保持に対する可能性が、今回の臨床試験で示唆されたと語った。

学会カレンダー

M-Reviewサイトアドバイザーの先生方よりご紹介いただいた注目の学会・研究会などをご紹介します。
※名前をクリックすると、M-Reviewに掲載されている先生の記事を読むことができます。

会期 学会名/会長 主会場
6/23 39 日本癌局所療法研究会
大辻英吾
京都
国立京都国際会館
6/23~6/24 22 日本緩和医療学会学術大会
有賀悦子
横浜
パシフィコ横浜
6/29~6/30 42 日本睡眠学会定期学術集会
伊藤洋
横浜
パシフィコ横浜
6/30~7/1 48 日本職業・環境アレルギー学会総会・学術大会
藤枝重治
福井
AOSSA
7/6~7/7 49 日本動脈硬化学会総会・学術集会
松本昌泰
広島
広島グランドプリンスホテル
7/8~7/9 41 日本小児皮膚科学会学術大会
大嶋勇成
福井
福井商工会議所

Editor's eye

6月に入り、雨に濡れる紫陽花の美しい季節になりましたね。
この梅雨の時期から初夏にかけて楽しむことができるのがホタル鑑賞です。
日本で特に人気が高いホタルはゲンジボタルだそうですが、このゲンジボタルの光が点滅する間隔は地域によって異なることが知られているそうです。
気温や時間にもよりますが、東日本では4秒に1回、西日本では2秒に1回、東西の境界付近では3秒に1回光るとのこと。
蒸し暑い夜、ふうわり舞うホタルを愛でながら過ごしてみてもよいかもしれませんね。

編集部I
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