No.65 2016.10.28 発行:株式会社メディカルレビュー社
糖鎖研究と他領域の融合/消化器内視鏡医療の最先端/変わりゆく肺がん医療
本日10月28日は「速記記念日」です。
1882年のこの日、日本速記術の創始者である田鎖綱紀が「日本傍聴筆記法」の第1回講習会を開催したことにちなみ、1888年、講習会の7周年記念会にて制定されました。田鎖式速記法の速さは当時の人々に鮮烈な印象を与え、伊藤博文は田鎖綱紀を「電筆将軍」と呼び称えました。
本号では「第14回日本糖鎖科学コンソーシアムシンポジウム」「第92回日本消化器内視鏡学会総会」「第57回日本肺癌学会学術集会分科会」をご紹介いただきます。ぜひご覧ください。
- 「第14回日本糖鎖科学コンソーシアムシンポジウム」2016年11月1日(火)~11月2日(水)
- 新規肝線維化マーカーM2BPGiの臨床的有用性について
- 「第92回日本消化器内視鏡学会総会」2016年11月3日(木)~11月6日(日)
- 大腸内視鏡サーベイランス:Japan Polyp Study
- 「第57回日本肺癌学会学術集会分科会」2016年11月6日(日)
- 我が国の在宅酸素療法の長期追跡結果が持つ意味とは?
第14回日本糖鎖科学コンソーシアムシンポジウム
会 期 | : | 2016年11月1日(火)~11月2日(水) |
テーマ | : | 変貌するグライコサイエンス:未来への橋渡しと社会貢献 |
代 表 世話人 |
: | 平林淳 (国立研究開発法人産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門首席研究員) |
会 場 | : | 御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都) |
糖鎖研究と他領域融合の場を求める日本糖鎖科学コンソーシアム(JCGG)シンポジウムが下記要領にて開催されます。アカデミア、産業界、行政等分野を問わず、みなさま奮ってご参加ください。
【アクセス】
会場:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター
東京都JR御茶ノ水駅 聖橋口徒歩1分
【主な講演】
11月1日(火)~創薬研究における糖鎖技術の有用性(創薬と再生医療)
基調講演:末松 誠(AMED)
特別講演:Nico Callewaert(ゲント大、ベルギー)
山川民夫賞受賞講演:Markus Aebi (ETH、スイス)
11月2日(水)~糖質・多糖研究における新たな展開(異分野融合と地域創生)
特別講演:清野 宏(東大)
特別講演:John Magnani (GlycoMimetics、USA)
特別企画:大変革期の科学技術政策:倉持隆雄(CRDS)
詳細は以下のホームページをご覧ください。
http://www.jcgg.jp/02/symposium14.html
新規肝線維化マーカーM2BPGiの臨床的有用性について
The Liver Cancer Journal Vol.7 No.4, 22-27, 2015
山﨑一美
慢性肝疾患は肝線維化の進展に伴い肝発癌リスクが上昇する。肝線維化の診断は、肝生検がゴールデンスタンダードであるが、侵襲度が高いという欠点がある。M2BPGiは肝線維化に伴う糖鎖変化を血液検査で検出し簡便に行える。M2BPGi値はC型肝炎の肝線維化ステージ診断に有用であり、肝癌の発癌リスクを示すことができる。
慢性肝疾患患者において肝臓の線維化の診断は重要である。肝線維化の進展に伴い病態および生命予後が修飾される。慢性肝炎は、F0、F1、F2、F3のステージに分類され、肝硬変はF4ステージである。F4まで線維化が進展したとき肝性浮腫・腹水、食道・胃静脈瘤を合併するようになる。また線維化ステージの進展に伴い肝細胞癌の発生リスクが上昇する。肝線維化の診断は肝生検が最も信頼性が高く、ゴールデンスタンダードとして認知されてきた。
第92回日本消化器内視鏡学会総会
会 期 | : | 2016年11月3日(木)~11月6日(日) |
会 長 | : | 藤本一眞 (佐賀大学医学部消化器内科教授) |
会 場 | : | 神戸コンベンションセンター 他(兵庫県) |
第92回日本消化器内視鏡学会総会は、神戸における第24回日本消化器関連学会週間(JDDW)のなかで開催され、APDW 2016(Asian Pacific Digestive Week)と同時開催になります。
本学会のプログラム委員は可能な限り若手の先生を選出させていただき、プログラム委員の先生の方針を最優先した内容で消化器内視鏡のほぼ全領域を含んだ斬新な内容になっています。国際セッションはアジア太平洋地区の先生方の興味をひく内容にしています。消化器内視鏡ライブはAPDWが中心で、消化器内視鏡のHands-on Seminar はAPDWと本学会の出席者が両方参加可能な形で開催します。
海外からも多くの参加がありますので、海外の医師・研究者と交流を深める絶好の機会です。多くの方の参加をお待ち申し上げております。
詳細は以下のホームページをご覧ください。
http://www.jddw.jp/jddw2016/index.html
大腸内視鏡サーベイランス:Japan Polyp Study
大腸がんperspective Vol.2 No.3, 54-56, 2015
松田尚久 ほか
日本における大腸癌の年齢調整死亡率は、1995年以降、横ばいあるいは僅かな減少傾向にあるものの、高齢者人口の増加に伴い大腸癌罹患者数は増加の一途を辿っている。国立がん研究センター(がん対策情報センター)から出された最新の報告によると、2015年には、年間135,800人が大腸癌に罹患し(結腸癌:91,600人、直腸癌:44,200人)、50,600人が大腸癌で亡くなることが予測されている。大腸癌は、その前駆病変と考えられている腺腫性ポリープを内視鏡的に摘除することにより、その罹患率が76~90%抑制可能であること、さらには53%の死亡率抑制効果が得られるという米国National Polyp Study(NPS)Groupからの報告を受け、本邦においても全大腸内視鏡検査(TCS)および腺腫性ポリープに対する内視鏡的摘除が広く普及してきた。本邦には、2012年に刊行された『消化器内視鏡ハンドブック』や2014年の『大腸ポリープ診療ガイドライン』に加え、『大腸EMR/ESDガイドライン』が論文化され、早期大腸癌を含めた大腸腫瘍性病変に対するマネジメント法についての指針が示されたが、内視鏡的ポリープ摘除後の経過観察(サーベイランス)方法に関する十分なエビデンスに基づくコンセンサスは存在しない。
第57回日本肺癌学会学術集会分科会
会 期 | : | 2016年11月6日(日) |
会 長 | : | 中西洋一 (九州大学胸部疾患研究施設教授) |
会 場 | : | アクロス福岡(福岡県) |
第1部 | : | 医療従事者向けセミナー |
第2部 | : | 公開シンポジウム |
●ショートハイドレーションのABC
CDDPにおけるショートハイドレーション、初回化学療法の入院/外来導入について
●抗がん剤曝露ウォーズ
テーマ1:抗がん剤の職業曝露について
テーマ2:患者・家族やスタッフへの曝露教育について
テーマ3:曝露対策に係るコストと職員の満足度について
●ランチョンセミナー
激論・曝露対策ガイドライン
第2部 公開シンポジウム①「がんと共に生きる」
②「変わりゆく肺がん医療」
他
我が国の在宅酸素療法の長期追跡結果が持つ意味とは?
THE LUNG perspectives Vol.24 No.2, 91-93, 2016
川上義和
在宅酸素療法は、今や広くいきわたった治療法である。対象疾患はCOPDをはじめ肺結核後遺症、間質性肺炎/肺線維症、肺癌など多岐にわたる。この適応基準はもちろん呼吸不全が存在することであるが、その基準作りや実態調査についての臨床研究は世界的に見ても我が国は抜きん出ており、保険診療でカバーしていることも特色である。その意味で我が国は先進国である。このような進歩が見られた背景には、1979年に始まった厚生省特定疾患「呼吸不全」調査研究班の功績がある。その中で、私達が世界に向けて発信した幾つかの研究を紹介したい。
M-Reviewサイトアドバイザーの先生方よりご紹介いただいた注目の学会・研究会などをご紹介します。
※名前をクリックすると、M-Reviewに掲載されている先生の記事を読むことができます。
会期 | 回 | 学会名/会長 | 主会場 |
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10/29 | 22 | 国際個別化医療学会学術集会 堀江重郎 |
東京 大崎ブライトコアホール |
11/3~11/5 | 58 | 日本消化器病学会大会(JDDW2016 KOBE) 岡崎和一 |
神戸 神戸コンベンションセンター |
11/3~11/6 | 54 | 日本消化器がん検診学会大会(JDDW2016 KOBE) 野崎良一 |
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14 | 日本消化器外科学会大会(JDDW2016 KOBE) 木村理 |
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20 | 日本肝臓学会大会(JDDW2016 KOBE) 高山忠利 |
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92 | 日本消化器内視鏡学会総会(JDDW2016 KOBE) 藤本一眞 |
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M-Review学会カレンダーでは、さらに多くの学会・研究会の日程をご紹介しております。 |
国産和牛ブランド「神戸ビーフ」が、ある世界的に有名なバスケットボール選手と関係があったことをご存知でしょうか。
NBAのロサンゼルス・レイカーズで活躍したコービー・ブライアント選手。彼の名前は、彼の父親が妻とともに訪れたアメリカの鉄板焼きレストラン「Kobe Steak House」の店の名前と神戸ビーフの味を気に入ったことから、“Kobe(コービー)”とつけられたのです。
NBAのNo.1プレイヤーにまで登りつめた彼も、今シーズン限りでの引退を表明しました。引退試合では60得点を挙げチームを逆転勝利に導くと、まだまだ活躍できると彼の引退を惜しむ声が上がりました。ファンのために、衰えを隠せなくなった自らの引き際を考え、決断した勇気には拍手を送りたいです。
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