本日9月4日は、「二宮金次郎」として広く知られる二宮尊徳の誕生日です。名前を聞いてなんとなくイメージは浮かぶけれども、実際のところ彼が何者なのかを知っている人はあまり多くないかもしれません。
江戸の末期に600を超える村の財政を立て直したことで名を馳せた尊徳ですが、私たちのイメージする「柴を背に本を読みながら歩く少年」としての二宮金次郎は、尊徳の一番弟子とされる富田高慶が著した伝記『報徳記』に初めてその記述が登場し、この『報徳記』を基に幸田露伴が執筆した『二宮尊徳翁』の挿絵として、1891年（明治24年）に初めて姿を現します。しかしながら、生前の尊徳は自身の幼少時代についてはあまり語らず、『報徳記』に描かれている幼少期は、村人への聞き取りを基にしたものであるため、その信憑性はあまり高くはないとのこと。はたして私たちが「ニノキン」と呼んで親しんでいた彼はいったい誰だったのか。
かつては柴や薪のみならず教育的な役割をも負っていた二宮金次郎像。時代とともに風向きも変わり、今では「本を読みながら歩く姿が教育的ではない」などといった理由で、全国の小学校から姿を消しつつあるそうです。
知名度に比してその功績や人となりはあまり知られていない二宮尊徳。この機会に、彼の虚像ではない実像について掘り下げてみるのも良いかもしれません。

本号では「第20回日本内分泌学会九州支部学術集会」をご紹介いただきます。ぜひご覧ください。