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投稿日時:2018/08/10(金)

M-Review Highlight
学会アイ

No.93 2018.08.10 発行:株式会社メディカルレビュー社

心臓病学をケースに学ぶ、エビデンスに学ぶ

本日8月10日は健康ハートの日です。1985年のこの日、「8(ハー)10(ト)」の語呂合わせで日本心臓財団と厚生省が制定しました。この日を中心に生活習慣改善を中心とした心臓病予防啓発活動を各地で行っています。
厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると、2016年の死因別死亡総数のうち、心疾患(高血圧性を除く)は19万8,006人でした。これは死因別死亡数全体の15.1%を占めており、悪性新生物に続き2番目に多い死因です。
今年2月の東京マラソンでは3人のランナーが心停止で倒れたそうですが、うち2人は近くのAEDで救命され、1人は心肺蘇生で助かったそうです。 2004年に一般市民にAED使用が解禁されてから14年。日本のAED分布密度は世界一と言われているそうです。
健康ハートの日をきっかけに、市民の間にますます心臓病に関する啓蒙が進むことを願います。

さて、本号では「第66回日本心臓病学会学術集会」をご紹介いただきます。ぜひご覧ください。

目次
「第66回日本心臓病学会学術集会」2018年9月7日(金)~9日(日)
心不全でチーム医療が必要とされる理由

学会・研究会開催のお知らせ

第66回日本心臓病学会学術集会

会 期 2018年9月7日(金)~9日(日)
会 長 増山理
(兵庫医科大学内科学講座循環器内科主任教授)
会 場 大阪国際会議場(大阪府)

第66回日本心臓病学会学術集会を2018年9月7日(金)~9日(日)に、大阪国際会議場において開催させて頂きます。
本学術集会ではメインテーマを“心臓病学をケースに学ぶ、エビデンスに学ぶ”とし、ケースで学ぶセッションを多く企画しました。特に画像診断・心不全に加え、集中治療・薬物療法に関わるセッションに力を入れました。例えば、初日には1日その会場におれば肺高血圧症の最新の治療法がケースベースで体得できるようなプログラムにしております。また、トピックとして、関西地区を中心に新進気鋭の先生方に最新の医療情報を提供いただく場を設けました。その他、海外から多くの先生方に特別講演、ジョイントシンポジウムなどをお願いしております。
第66回の本学術集会が心臓病に関係する方々の充実した研鑽の場、また素晴らしい出会いの場となりますよう鋭意準備をして参りました。多数の皆さまのご参加をお待ちしております。

ピックアップ
心不全でチーム医療が必要とされる理由

CARDIAC PRACTICE Vol.27 No.3, 17-21, 2016
眞茅みゆき

社会の高齢化と循環器急性期治療の進歩により、心不全患者は今後増加することが見込まれている。日本循環器学会が実施している循環器疾患診療実態調査では、2013年から心不全患者数を調査しており、そのうち慢性心不全の患者数は、2013年の88,247人に対し、2015年には104,694人に増加している。心不全の薬物、非薬物治療は、近年急速な進歩を遂げ、エビデンスに基づいた治療法が確立されてきたが、慢性心不全患者の多くは再入院を繰り返すため、心臓救急の現場では、再入院予防への対策が急務となっている。再入院の要因には、基礎疾患や合併疾患の増悪といった医学的要因に加え、薬物アドヒアランスの低下や独居といった社会的要因、抑うつ、不安などの心理的要因も重要であり、心不全における包括的管理の重要性が指摘されている。

記事を読む

学会カレンダー

M-Reviewサイトアドバイザーの先生方よりご紹介いただいた注目の学会・研究会などをご紹介します。
※名前をクリックすると、M-Reviewに掲載されている先生の記事を読むことができます。

会期 学会名/会長 主会場
8/24~8/25 18 日本糖尿病情報学会年次学術集会
山田祐一郎
秋田
秋田市にぎわい交流館AU
8/30~9/1 6 ARO協議会学術集会
中西洋一
福岡
九州大学医学部 百年講堂
8/31~9/1 3 日本がんサポーティブケア学会学術集会
田村和夫
福岡
福岡国際会議場
9/2 7 日本栄養学教育学会学術総会
斎藤トシ子
新潟
朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
9/3~9/5 65 日本栄養改善学会学術総会
村山伸子
新潟
朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
9/7~9/8 33 日本乾癬学会学術大会
佐山浩二
松山
松山全日空ホテル
9/8~9/9 24 日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会
出江紳一
仙台
仙台国際センター 他
9/8~9/9 3 日本リンパ浮腫治療学会学術総会
前川二郎
横浜
横浜市開港記念会館 他
9/9 29 痛風研修会
鎌谷直之
東京
東京慈恵会医科大学
9/29 32 日本心臓血管内視鏡学会
高野雅充
東京
シェーンバッハ・サボー

Editor's eye

もうすぐお盆。京都の五山の送り火は有名ですね。また、8月は広島と長崎の平和記念式典、15日の全国戦没者追悼式など戦争犠牲者の慰霊をする時期でもあります。日本人にとって8月は、先祖の供養を通して死者を思い出す季節なのかもしれません。
日本人の死生観は近年急速に変わってきたように思います。1970年代に病院死が在宅死を上回りました。核家族化が進んで高齢者との共同生活が希薄になるなか、日常生活の中で家族を看取る機会が少なくなり、いつの間にか死んでいく人が見えない世界になり、死は怖いものとして捉えられるようになりました。
織田信長が本能寺で「人間50年」と言った話は有名です。男女ともに初めて平均寿命が50歳を超えたのは1947年。人生80年時代になってからは40年ほどしか経っていないため、人生80年に見合う日本人の死生観がまだ作られていないのは、当然のことかもしれません。
多死社会に突入し、今後ますます医療・介護従事者が人の死に接する機会が増えていきます。来る老病死に備えて終活やエンディングノート作成に取り組む人も増えてきています。失われた死生観を取り戻し、地域に看取り文化を取り戻すことが求められているように思います。

編集部I
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