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バイオメディカルフォーラム

Session 1「Antithrombin 何をし,どこまで行われたか?」総説 アンチトロンビン;抗炎症作用

内場光浩

バイオメディカル Vol.22, 28-33, 2012

「要旨」アンチトロンビンは重要な生理的凝固制御物質であるが, 凝固系の制御作用のほかに炎症反応も制御する. その作用機序は細胞内のcAMPの上昇を介するものであり, その結果として炎症性サイトカイン産生や白血球接着分子の発現を抑制する. 活性型プロテインCもまた重要な凝固系制御因子であるとともに抗炎症作用を発揮することが知られているが, その作用機序発現にはcGMPが関与している. ATと活性化プロテインCは抗凝固作用の発現機構が異なることと同様に, 抗炎症作用の発現機構も異なるため, 敗血症の病態改善のためにATと活性化プロテインCの両者が作用を発揮する治療戦略が重要である. 「はじめに」敗血症をはじめとする重症感染症の病態では, しばしば播種性血管内凝固症候群(DIC)などの凝固線溶異常を合併する. 凝固異常を合併する病態では予後が不良であることが知られているが, 一方で抗凝固療法によって予後が必ずしも改善するわけではないこともよく知られた事実である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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