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座談会(Round Table Discussion)

泌尿器癌(RCC・尿路上皮癌)におけるがん免疫療法

植村天受冨田善彦藤本清秀

がん免疫療法 Cancer Immunotherapy Vol.2 No.2, 12-19, 2018

植村 泌尿器癌のうち, 腎細胞癌(renal cell carcinoma:RCC)と尿路上皮癌において免疫チェックポイント阻害剤の適応が承認され,今後は適切な患者選択に基づく免疫チェックポイント阻害剤単剤処方,あるいは免疫チェックポイント阻害剤と分子標的薬の併用療法の可能性も考えられています.
進行性または転移性RCCにおいて,従来治療ではインターフェロン(interferon:IFN)–α,インターロイキン(interleukin:IL)–2 といったサイトカイン療法が実施されてきました.サイトカイン療法には長い歴史がありますが,その治療効果は十分とはいえず,2008年以降にわが国で承認されたチロシンキナーゼ阻害剤(tyrosine kinase inhibitor:TKI), 哺乳類ラパマイシン標的蛋白質(mammalian target of rapamycin:mTOR)阻害剤といった分子標的薬がRCC治療の中心となりました.その後,2014年7月にニボルマブが悪性黒色腫を対象に承認となったことを皮切りに免疫チェックポイント阻害剤が世界各国で承認され,各種のがんに適応拡大されています.RCCに対しては2016年にニボルマブが「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」を適応として承認され,われわれが今後はサイトカイン療法および分子標的治療,がん免疫療法をどう使いこなすかが大きな課題となっています.
一方,進行性尿路上皮癌に対しては多剤併用化学療法としてメトトレキサート・ビンブラスチン・アドリアマイシン・シスプラチン(M–VAC)療法,およびゲムシタビン・シスプラチン(GC)療法が行われてきました.M–VAC療法,GC療法の治療効果は高いものの,治療抵抗性となった場合の治療は極めて困難であることは周知の如くです.2018年に「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌」に対してペムブロリズマブの適応が追加され,現在多くの進行性尿路上皮癌患者に用いられている状況です.
こうした治療の変遷をふまえたうえで,本座談会ではRCCと尿路上皮癌におけるがん免疫療法の現状,およびバイオマーカーの可能性や今後の展開について本領域を牽引される先生方とともに考えていきたいと思います.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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