Feature Articles 特集論文　3．カモフラージュとしての化粧品

外見上の変容は，人々に多くの苦しみや心の傷を与え，社会への参加はもとより，健康な日常生活を送ることすら困難にする．皮膚科領域においては，太田母斑，扁平母斑などの色素性病変，尋常性白斑，白皮症，血管腫，手術跡，熱傷跡など多様な疾患・外傷に伴う外見上の変容が存在する．近年では，がん治療時や治療後の皮膚の色調変化なども対象として含まれる．こうした皮膚に化粧品を用いてカモフラージュを施すことは，単に気になる部分を目立たなくするだけでなく，患者の生活の質（quality of life；QOL）を向上させる効果が報告されており，治療補助としても有用と考えられる．化粧品によるカモフラージュについて，施術例を交えながら紹介したい．