Theme 膠原病に伴う肺高血圧症 State of the Art
膠原病性肺高血圧症に対する新規分子標的治療薬
Pulmonary Hypertension Update Vol.8 No.1, 34-42, 2022
膠原病合併肺高血圧症(CTD-PH)は,原疾患およびその合併症に伴い複数のPH病態構築因子を有すため病態が複雑になる。正確な診断に難渋する症例も多く,治療選択に難渋することが少なくない。これらのことからCTD-PHに特化した治療薬の開発は非常に困難である。一方で臨床免疫学の進歩に伴い,近年,全身性エリテマトーデス(SLE),全身性強皮症(SSc)に対する新たな治療薬が次々と開発され,治療戦略が大きく進歩している。しかしながら,CTD-PHにおけるこれらの新規薬剤の有効性を示すことは困難であり,現時点ではCTD-PHにフォーカスした臨床試験は行われていない。よって本稿ではいくつかのCTDに対する新規治療薬を中心に,PH治療の可能性について論じてみたい。
「KEY WORDS」全身性強皮症,全身性エリテマトーデス,免疫抑制療法,分子標的薬
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