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肺高血圧症における平滑筋細胞のカルシウムチャネルの種類と役割

Pulmonary Hypertension Update Vol.3 No.1, 50-53, 2017

血管平滑筋の細胞内Ca2+濃度([Ca2+cyt)変化は,筋収縮や細胞増殖,蛋白質発現調節などをもたらす極めて重要な生体内シグナルである。[Ca2+cyt増加は,細胞外からのCa2+流入や細胞内Ca2+ストアからのCa2+遊離によって起こる。肺動脈平滑筋細胞には, 電位依存性Ca2+チャネル(voltage-dependent Ca2+ channel:VDCC)や受容体作動性Ca2+(receptor-operated Ca2+:ROC)チャネル, ストア作動性Ca2+(store-operated Ca2+:SOC)チャネルなどが発現し,各種刺激に応じたCa2+流入を担っている。さらに,電位依存性K+(KV)チャネルやGq蛋白質共役型受容体,受容体型チロシンキナーゼ,骨形成蛋白質(BMP)受容体なども間接的に[Ca2+cytを調節している1)。これらのシグナル経路を介して[Ca2+cytが上昇すると,肺動脈平滑筋細胞は収縮や増殖を起こす。しかし,Ca2+シグナル分子の発現および機能変化により[Ca2+cyt過負荷が持続すると,肺動脈平滑筋の攣縮と肺血管リモデリングが誘発され,肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)の病態が形成される。本稿では,肺動脈平滑筋細胞に発現するCa2+チャネルの種類と生理機能,および肺高血圧症との関連について概説する。

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抄録