State of the art JSCCR/ESMO/NCCNガイドラインを比較する
3ガイドラインの比較検討―切除不能進行がん
大腸がんperspective Vol.3 No.4, 40-47, 2017
切除不能大腸がんの治療においてバイオマーカー検査の重要性が近年高まっている。RAS遺伝子変異は,抗EGFR抗体薬における負の効果予測因子としての役割が明らかになってきており,NCCN,ESMO,JSCCRそれぞれのガイドラインが,RAS変異例に対する抗EGFR抗体薬の投与を推奨していない。また,NCCN,ESMOではRAS検査のみならずBRAF検査やMSI/MMR検査についても推奨コメントを掲載している。切除不能大腸がんの全身化学療法はフッ化ピリミジン系代謝拮抗剤,オキサリプラチン,イリノテカンといった殺細胞性抗悪性腫瘍薬に,抗VEGF抗体薬であるベバシズマブや抗EGFR抗体薬であるセツキシマブ,パニツムマブを組み合わせたレジメンが基本となる。これらレジメンの組み立て方について,NCCN,ESMO,JSCCRそれぞれ独自で患者のグループ分類を提唱し,個々のグループに応じて推奨する治療戦略を提示する形で対応している。
「KEY WORDS」大腸がん/RAS/BRAF/MSI/MMR/化学療法
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