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Catch Up 分子生物学

Dclk1:新規がん幹細胞マーカーとしての可能性

牧野俊一郎高橋秀和原口直紹西村潤一畑泰司水島恒和山本浩文土岐祐一郎森正樹

大腸がんperspective Vol.3 No.3, 46-51, 2017

腫瘍には正常な組織の幹細胞と同様にがん幹細胞が存在し,がん幹細胞から腫瘍が発生・進行するというがん幹細胞仮説が提唱されている。これまで大腸がんのがん幹細胞のマーカーとして多数の候補が報告されてきた。しかしその大半は同時に正常な組織の幹細胞のマーカーでもあるため,がん幹細胞を標的とする治療は困難であった。しかし近年,Dclk1(Doublecortin-like kinase1)が大腸がん幹細胞の特異的表面分子である可能性が報告された。またがん細胞のアポトーシスを誘導するといわれているクルクミンの抗腫瘍特性を向上させる標的としてDclk1が注目されている。
「KEY WORDS」大腸がん,がん幹細胞,Dclk1,クルクミン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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