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State of the art 癌幹細胞研究の最前線

幹細胞に着目した新薬の可能性

島田周田中真二

大腸がんperspective Vol.2 No.4, 18-25, 2016

「Summary」「がんの中に存在する一部のがん細胞のみが強い造腫瘍能と抗がん剤耐性をもち,そのような細胞が転移や再発に寄与している」というがん幹細胞仮説は,理論にとどまらず,臨床現場においても問題となっている。われわれは,がん幹細胞のメカニズムの解明もさることながら,がん幹細胞を標的とするという新しい機序の治療方法の確立を急がなければならない。化合物スクリーニングから得られた既知化合物のsalinomycin,thiolidazine,quercetinをはじめとして,Wnt経路やHedgehog経路などのシグナル経路阻害,がん幹細胞の薬剤抵抗性の原因となるABCトランスポーターの阻害,がん幹細胞特異的表面抗原に対する抗体治療,幹細胞性維持に寄与しているニッチをターゲットとした新規抗がん剤治療など多岐にわたって研究が進められ,すでに臨床試験が始まっている薬剤もある。近年では,がん幹細胞のメカニズムが明らかになりつつあり,その特異なROS抵抗性,細胞周期やエピジェネティクスを狙った新しい治療方法も模索されている。
「Key words」がん幹細胞,分子標的治療薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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