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Catch Up 分子生物学

大腸癌の転移メカニズムについて

松村多恵山本浩文土岐祐一郎森正樹

大腸がんperspective Vol.2 No.3, 44-48, 2015

[テーマ文献①]Iliou MS, da Silva-Diz V, Carmona FJ, et al. Impaired DICER1 function promotes stemness and metastasis in colon cancer. Oncogene. 2014 Jul 24 ; 33(30) : 4003-15.
[テーマ文献②]Urosevic J, Garcia-Albéniz X, Planet E, et al. Colon cancer cells colonize the lung from established liver metastases through p38 MAPK signalling and PTHLH. Nat Cell Biol. 2014 Jul ; 16(7) : 685-94.

「Summary」大腸癌の転移のメカニズムとして,遺伝子やエピゲノムの変化によって生じた癌細胞が,いくつかの段階を経て転移を形成してゆくと考えられている。すなわち,原発巣での増殖から周囲組織への浸潤,脈管内への侵入,循環中の移動と生存,転移臓器における内皮細胞への接着,転移臓器への浸潤・転移巣の形成という一連の過程を経ることが分かっている。高い遊走能と造腫瘍能をもつ癌幹細胞が,この過程において優位に生存し転移を形成することが報告されており,一連の転移の過程は癌幹細胞の特徴に負うところが大きい。最近の知見では,癌幹細胞のマイクロRNA(miR)による制御や転移臓器の微小環境への作用が転移形成を促進していることが報告されている。これらのメカニズムは,転移の制御において重要な治療標的となることが期待される。
「Key words」大腸癌,転移,癌幹細胞,p38 MAPKシグナル,PTHLH,DICER1

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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