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日内リズムとアンチエイジング

第5回 時計遺伝子と高血圧

江本憲昭

Anti-aging Science Vol.4 No.2, 50-54, 2012

「1. はじめに」有効で強力な降圧薬の開発に伴い, 高血圧症に対する現在の降圧治療のゴールは単なる血圧レベルの制御にとどまらず, 血圧の日内変動の適正化へと移りつつある. 血圧の日内変動は生体時計の制御を受けた自律神経活動, カテーコールアミン, レニン・アンジオテンシンなどのホルモン分泌の概日変動によって形成される. この基本的な血圧パターンに睡眠・覚醒, 体位, 精神身体活動などを含む種々の要因が影響を及ぼして, 血圧の日内変動を形成している(図1). これらの多くに生体時計が関わっている可能性を示唆する観察研究が報告されてきたが, 分子レベルで迫る研究は困難であった. 近年, 時計遺伝子の遺伝子操作マウスを対象とした循環動態の解析により, 血圧やその日内変動における時計遺伝子の役割が明らかになりつつある. 特にCryptochrome(Cry)遺伝子の遺伝子改変マウスでは, 血圧上昇とともに血圧日内リズムの異常を呈し, 新たな高血圧モデルとして注目されている1).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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