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糖尿病と血管老化

Anti-aging Science Vol.4 No.1, 16-19, 2012

「はじめに」 2010年のわが国の人口動態統計によると, 死因の1位は悪性新生物であるが, 2位を心疾患, 3位を脳血管疾患が占め, これら動脈硬化関連疾患の克服は依然として重要な課題である. ごく最近, 日本人を対象として糖尿病と虚血性心疾患の関連を検討した研究が報告され, 全虚血性心疾患発症の危険は, コントロール群を1とした場合, 糖尿病群では3.05であり, 糖尿病と動脈硬化疾患の関連が改めて明確に示された1). 最近では, 動脈硬化は慢性炎症性疾患と捉えられており, 糖尿病, 高血圧, 脂質代謝異常症などの生活習慣病と, 炎症や老化などの変化が一元的に生じていると考えられている. 本稿では, 主に糖尿病における血管老化に関して述べる. 「血管老化とは」 ウィリアム・オスラー博士が「人は血管とともに老いる」と述べたのは1891年であり2), 血管の老化は古くから関心をもたれていた.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

抄録